【働く女性の保健室】避妊だけでなく、生理痛や子宮内膜症を防ぐ効果あり! 低容量ピルのすすめ

宗田 聡

ピルに副作用があったのは昔のこと

ピルには、もともと自分の身体から出ている女性ホルモンが入っています。女性ホルモン自体に、身体に水分を溜め込む作用があるので、人によってはピルを飲むことで、むくみを強く感じることもあります。

とくに昔は、ホルモン量の少ないピルがなく、治療用として使われていたホルモン剤を避妊用のピルとしても処方していましたので、当然むくみやすかったり、太りやすかったりしていました。

みなさんのお母さん世代からすれば、当時の記憶から、「副作用で太るわよ」などというのでしょう。けれども、現在処方されるピルは、1錠に含まれているホルモンの量が非常に少ないので、まず太る人はいません。パリコレに出ているプロのモデルさんなどが、みんな飲んでいるのを見ても明らかです。

また、たくさんの製薬会社から、さまざまな種類のピルが発売されています。それぞれ配合されているホルモン剤の割合に特徴を持たせて開発されています。どのタイプがいいかは個人差がありますので、婦人科の専門の先生と相談してみましょう。うまくタイプが合うと、むくみもほとんど出ません。

ただし、生理時はいつも生理痛で 2、3日寝込んでいたり、生理の1週間前から調子が悪くて食欲がなく、その期間は外食に行ったり暴飲暴食したりといったことをほとんどしていなかった方は要注意です。

なぜならピルを使い始めたことによりとても体調がよくなり、食欲も出て、生理の時期に関係なく大いに飲み食いしてしまう場合があるからです。そうなると、当然太ります(笑)。じつは、ピルを使い始めた直後に、こういったケースは非常に多いのです。ちなみにモデルさんのような方たちは、「ピルを飲んで太るのは困る!」と、ピル服用中は非常に食事の摂り方に神経をとがらせています。太りたくないのであれば、 ごはんがおいしくなった分だけ、食事コントロールをするのは当然です。

生理のコントロールは、大人の女性のルール

30〜40代の女性は、バリバリ働いて、責任ある立場にある方も多いはずです。とにかく忙しく、終電での帰宅が多くて休めないなどという方こそ、ピルを使ってコントロールするのがおすすめです。

また、生理時の出血の量が非常に多い方は、粗相をしてはいけないと、生理1、2日目の外出を控える、旅行なんてもってのほか、楽しそうなお誘いも泣く泣く断るということが多いのではありませんか?

ピルを使えば生理の時期を調節できますから、温泉や海などの旅行の時期に生理を来ないようにすることも可能です。「やっと彼氏から旅行に誘われた!」などというときに、「この日、生理だ(泣)」などと嘆くこともなくなりますよね。

ただし、気をつけていただきたいのは、どんな薬でも副作用はあるということ。35歳以上でタバコを吸っている方や太り気味の方、ご家族などに血液が固まる遺伝病などを持っている方は、よく先生と相談してからピルを使うようにしてください。

宗田聡
広尾レディース院長、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。茨城県出身。医師、医学博士。専門は、産婦人科医。

日本産科婦人科学会認定医・指導医、臨床遺伝学認定医・指導医、認定産業医・スポーツ医、アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)。母校の大学病院で講師として臨床医療・教育・研究に関わり、留学後に幅広い医療、特に女性の心とカラダの健康を総合的にサポートする医療を理想として、地域周産期センター長を歴任後、都内で都市型かかりつけ医のクリニックを開業。日英論文多数、専門書(翻訳)執筆にも定評があり、一般誌でも「AneCan」など様々な雑誌で女性の健康に関する記事を多数執筆。著書には、「産後ママの心と体をケアする本」「産後うつ病ガイドブック」「ニューイングランド周産期マニュアル第二版」など。

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