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反安倍政治を訴え70票獲得?
あの有力政治家が総裁選出馬へ

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訪中失敗なら支持率低下

筆者が繰り返し指摘してきた水面下での日朝交渉を通じてあり得る「サプライズ」は、安倍晋三首相の9月上~中旬にかけての訪中、そして習近平国家主席との日中首脳会談実現が前提となる。

ところが、ここに来て安倍訪中の雲行きが怪しくなってきた。そもそも安倍首相の9月上旬の訪中説が浮上したのは、『朝日新聞』(7月11日付朝刊)が「安倍首相、9月訪中を検討――抗日記念行事を外す方向で調整」と報じたことが契機となった。

それを裏付けることとなったのが、首相の外交ブレーン、谷内正太郎国家安全保障局長(内閣特別顧問)の中国訪問(7月16~18日)だった。谷内訪中が異例の厚遇を受けたのは、中国国家指導部が谷内安保局長を安倍外交の「真打ち」と見なしたからだ。

事実、谷内局長は同16日夜、楊潔篪国務委員(外交担当・副首相級)と釣魚台国賓館で夕食をはさんで5時間半会談した。翌日午前には、常万全国防相が国防省迎賓館に招き、谷内・常会談が行われた。木寺昌人駐中国大使、そして歴代の駐中国武官はこれまで同迎賓館に足を踏み入れたことがなかった。その後、谷内局長は中南海(国家指導部の執務室と住居がある)に招かれ、李克強首相(共産党序列第2位)を表敬した。

こうした中国側の歓待からしても、9月3日に実施される「抗日戦争勝利記念日」式典(軍事パレードを含む)後の同中旬までの安倍訪中は確定的と見られるようになった。ところが、7月29日の参院安保法制特別委員会(鴻池祥肇委員長)での首相答弁で様相が一変したのだ。

安倍首相は、尖閣諸島周辺で中国による領海侵犯など東シナ海をめぐる動きに加えて、南沙諸島の埋め立てなど南シナ海の活動について、オバマ米政権の強い懸念に歩調を合わせるかのように、日本にとって「脅威」であると発言したのである。

こうした中国の東・南シナ海への進出に対して、岸田文雄外相は、東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)閣僚会議出席のためマレーシアの首都クアラルンプール滞在中の6日にジム・ケリー米国務長官と会談し、日米連携して対応することを改めて確認した。中国の海洋進出を「脅威」とする認識で日米が一致したのだ。

実は、政府内部にも安倍首相の早期訪中に異論を唱える高官が少なくない。内閣官房では兼原信克官房副長官補(兼国家安全保障局次長)であり、外務省内でも事務方トップの斎木昭隆外務事務次官が慎重派だとされる。