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「作戦の神様」辻政信の孫は富士急社長、児玉誉士夫の息子はTBS役員……あの戦争の有名人たちの子孫は「いま」
近衛文麿の孫は日本赤十字社社長と細川護煕元首相〔photo〕Getty Images

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歌人として語り継ぐ

満州国の設立に関わり、戦後、A級戦犯として処刑された陸軍大将の土肥原賢二。その孫の佐伯裕子氏(68歳)は歌人という道を選んだ。戦争犯罪者の家族として苦悩してきた父・実氏を見続けてきて、家族だけが知るその姿を歌に残したいと思ったからだ。

「祖父が処刑される前に残した『何も弁解するな。どんなことでも受け入れなさい』という言葉を幼いころから母に教えられてきました。私が最初に出した歌集のテーマは『沈黙』。歌を書くときに、なるべくありのままを受け入れるという姿勢は祖父の言葉に影響を受けたからです」(佐伯氏)

太平洋戦争末期、牛島満大将は、沖縄戦で日本軍を指揮し、5倍以上の戦力差があるアメリカ軍に対し徹底抗戦を貫いた。牛島は温厚な性格で知られ、陸軍士官学校長なども歴任、軍人というだけでなく優れた教育者でもあった。その牛島の孫である貞満氏(61歳)は小学校教諭となり、普段は東京の小学校で教鞭をとりながら、毎年沖縄の小学生に対して平和学習の授業を行っているという。

陸軍士官学校を首席で卒業、マレー作戦などを指揮し「作戦の神様」とも言われる一方で、強引な作戦で無用な戦死者を出したという批判もあり、評価が分かれる辻政信(陸軍大佐)。

戦後は作家や国会議員に転身した辻だが、その孫にあたる堀内光一郎氏(54歳)は現在、富士急行の社長を務めている。辻の娘婿となったのが通産大臣や自民党総務会長などを歴任した政治家の堀内光雄氏であり、その堀内家は富士急行の創業者の家系である。