新白河原人12 丸太小屋をつくる4
〜基礎柱天辺切り揃え

守村大『新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活』

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丸太小屋をつくる4 基礎柱天辺切り揃え

表題が今般の作業を語り尽くしている。つまり、基礎柱の天辺を水平かつ均一の高さに切り揃えてやるだけのこと。

2ヵ月程前に埋設した栗の木の基礎柱を振り返る。時々、水を撒いて周りの土を落ち着かせた効果もあり、堅固に締まった土に支えられて、16本の柱は力強く屹立している。

現今、水平レベルをとる作業は、トランシットなる測量機材を使用するが、私などはそのような高級なものは持ち合わせていない。「水盛り缶」なるいささか原始的な器具を使用する。口径15cm、高さ50cm程の円筒の缶に入れた水の水位と、その缶から伸びたビニールホースの先の水位が同一になるという明快な原理に拠った単純な器具。中古で500円。うわあっ、安い。そこんとこ大事。

水盛り缶を安定した場所に設置する。作業中は絶対に動かしてはいけません。長く伸びたホースを引き回しながら、16本の基礎柱のレベルを1本ずつとっていく。引き回す度にホース先の水位は上下に揺れる。動揺がおさまるのをジッと待ち、そのあと慎重にチェックする作業は少々イラつく作業になる。要所をポイントしてぐるりと繋げば、水平の墨線が描き上がる。たっぷりと時間はかかるが、ちっともお金はかからない。ありがたい。

10本終えたところでクワンと音がして振り返ると、好奇にかられたヒメが鼻先で水盛り缶を押し倒してしまっていた。とほほ。撃沈する。が、悪気のないヒメを怒っても無益である。ヒメを木に繋いで、やりなおし。

再起して12本終えたところで、今度は自分の足にホースをからめて水盛り缶を引き倒してしまった。これは、ありがちな失敗であると聞いている。とはいえ、なんてこった。くはあっ。あまりのいまいましさに、今さらヒメのところに行き、指差し、「お前のせいで!」と怒っているスモールな私であるが、やはり無益であるね。やり直し。

墨入れしたレベルラインをチェーンソーで切り揃えて、基礎完成。めでたし。

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守村 大(もりむら・しん)
1958年生まれの漫画家。モーニング(講談社)にて連載された『万歳ハイウェイ』『あいしてる』『考える犬』など、代表作多数。現在東北新幹線・新白河駅から車で10分の里山で開墾生活をしながら、モーニングにて『新白河原人』の漫画版『ウーパ』を連載中。

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講談社 定価:1,500円(税別)

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