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米盗聴より深刻なサイバー攻撃
【PHOTO】gettyimages

アメリカが慌てた盗聴事件

日本政府や商社に対する米情報機関による盗聴疑惑について、米国のバイデン副大統領が8月5日、安倍晋三首相と電話会談し「迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝した。詳細はあきらかになっていないが、米国が事実上、盗聴の事実を認めた形だ。この問題をどうみるか。

まず事実関係を確認しよう。内部告発サイトのウィキリークスは7月31日、財務省や経済産業省、日銀、三菱や三井のグループ企業など日本の政府機関と企業の電話35カ所を米国家安全保障局(NSA)が2006~07年ごろから盗聴していた、と発表した。これが発端だ。

日本に対する米国の盗聴疑惑はこれが初めてではない。1995年に合意した日米自動車協議でも、NSAや米中央情報局(CIA)が当時の通商産業省などの電話を盗聴していたと当時、ニューヨーク・タイムズが報じていた。

それ以来、日本の政府関係者の間では、米国などが盗聴しているのは事実とみて、政府内の重要会話は厳密に守られているかどうかは別としても、盗聴を防止する設備を備えた「機密室」で電話するのがルールになっている。たとえば内閣情報調査室には携帯電話が通じない部屋がある。

したがって今回、日本政府は盗聴の事実そのものに驚いているわけではない。はっきり言って「やはり、そうだったか」という程度だ。それより頭を抱えているのは米国である。それは安倍・バイデン会談が米国側からの申し入れで行われた点にもうかがえる。

日本側は菅義偉官房長官が3日の会見で「同盟国としてきわめて遺憾」と述べたものの「仮に事実だとすれば」という留保付きで、米国側の出方を見守る抑制的な姿勢だった。慌てているのは、むしろ米国側なのだ。

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