【沿線革命054】
京浜東北線・桜木町架線断線
埼玉県民への大迷惑は、こうすれば防げる

根岸線の横浜-桜木町で架線断線して、こんなに広い範囲の人が迷惑を受ける(2015年8月5日 0:15にスマホのJR東日本アプリにてデータ取得)

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さる4日夜の京浜東北線の架線断線により、多くの神奈川県民とともに、埼玉県民まで大迷惑を受けた。どうにかならないのか。

1951年の桜木町事故を思い出す

鉄道関係者の多くは、桜木町付近で架線断線と聞くと、1951(昭和26)年の桜木町事故を思い出しただろう。架線が垂れ下がった区間へ電車が進入して激しい火花が発生し大炎上した。多くの不備が重なり、焼死者106人、負傷者92人の大惨事となった。

今回はそんな大惨事にはならなかったが、150本が運休、159本が最大6時間20分遅れ、乗客約35万人に影響が出た。

時系列順に、大きく以下4つの問題点があった。
 1)架線が断線した。
 2)駅間に停車した列車の乗客を迅速に誘導できず、ドアが開けられ並行線まで止めた。
 3)折り返し運行した蒲田-大宮のダイヤも大幅に乱れた。
 4)復旧に時間を要した。

今回は、2)と3)に絞って解説と提案をしよう。

なお、横浜-桜木町は京浜東北線でなく根岸線なのだが、ほとんどの報道がなぜか京浜東北線としている。

エアコンが切れて暑く、乗客が勝手にドアを開けた

架線断線は19:10頃に発生して停電(列車への電力供給が停止)し、京浜東北・根岸線の南行は、新子安・桜木町・山手のそれぞれ手前の3本の列車が、駅間に停まってしまった。

停電しても走行中の列車は惰性で走行し、次の駅でブレーキを掛けて通常に停車することもできる。しかし、停電とは電力設備での重大トラブルの可能性を示し、その場で緊急停止することが基本である。

次の駅まで走行し続けたら、垂れ下がった架線とパンタグラフがからみ付く、64年前の桜木町事故のように車体に引火する等、さらなる重大事故に結び付きかねない。従って、駅間であれ、緊急停止したことは適正な対処である。

問題はその後である。3列車とも1両当たり100~150人が乗車していたと思われる。停電なのでエアコンも主照明も切れ、降車・誘導、あるいは電源を回復しての次の駅までの移動の準備に1時間以上を要した。

酷暑が続く中、車内の蒸し風呂状態におそらく耐えられなかったのだろう、新子安の手前の列車の乗客がドアを開けた。鉄道側から見ると、「乗務員の指示なくドアを開けないで下さい」と繰り返し放送していた中、「勝手に」開けたとなる。

運転席ではドアが開けられたことは即座に分かり、乗客が地上に降りたかは不明でも、列車防護無線を発報して並行路線の列車を緊急停止させなければいけない。

東海道線・横須賀線・湘南新宿ラインを22:43まで、2時間半も運転見合わせすることとなった。その結果が、冒頭の宇都宮・高崎・熱海・久里浜までオレンジ色となった路線図である。

多数の神奈川県民の他に埼玉県民まで大迷惑を受けた。