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【二宮清純レポート】首位打者を目指して今日も打つ 秋山翔吾(西武ライオンズ)が大化けしたのはなぜか?

2015年08月08日(土) 週刊現代
週刊現代

昨季限りでユニホームを脱いだ元千葉ロッテのキャッチャー里崎智也に解説を頼んだ。マスク越しの視点には定評がある。

「昨年まではアウトコースのボールの出し入れだけで、ある程度は抑えられた。正直言って、それほど恐ろしいバッターではありませんでした」

投手が最も嫌がる1番打者

キャッチャーはバッターの、どんな小さな動きも見逃さない。里崎によると秋山は「タイミングの取り方で狙いのわかるバッター」だった。

「彼は引っ張りたい時は、タイミングを早めにとる。流したい時は、その逆。だから、その点だけ押さえておけば、引っ張ってくるか流してくるかがわかりました。しかも、1球ごとに狙いを変えるようなことはしなかった。引っ張ると決めれば、その打席は全て同じ。キャッチャーにすれば、割とわかりやすいタイプのバッターでしたね」

覚醒の理由は、どこにあるのか。

「今年に入ってバットを寝かせて打つようになったでしょう。あれでスムーズにバットが出るようになった。その結果、少ない動きでバットをミートポイントにまで持っていける。だからミスショットが少ないんでしょう」

ソフトバンクサイドから試合を見ることの多い元ホークス柴原洋も同様の見方をする。

「グリップの位置を、今年は低くしましたね。だから構えた位置から、そのままバットが出るんです。ヒッチ(グリップを上下させる動き)するとトップの位置が決まらず、どうしても打ち損ないが増える。その悪癖が今年は改善されました」

開幕前、パ・リーグの優勝候補は本命がソフトバンク、対抗がオリックスという図式だった。それを追うのが北海道日本ハム。大方の評論家は西武をBクラスと予想した。

ところが、フタを開けると西武の健闘が光っている。目下、首位ソフトバンクに3ゲーム差の3位。秋山の1番定着により、打線に厚みが増した。それが好成績の一因となっている。

柴原が続ける。

「相手にしたら、これほど嫌なトップバッターはいない。率は残せるし、いきなりホームランもある。ヨーイドン(初回)での失点は、ピッチャーにはこたえる。今の秋山に対しては〝長打を打たれるなら歩かせてもいい〟くらいの気持ちで攻めていると思いますよ」

打法改造に成功した秋山には、7学年下の〝師匠〟がいる。入団2年目の森友哉だ。

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