[サッカー]
大野俊三「鹿島・石井新監督への大きな期待」

守りのトライアングル確立を

 ファーストステージではJ1リーグ8位と振るわなかった鹿島アントラーズを石井正忠新監督が率いることになりました。石井監督は住友金属工業、鹿島でともにプレーした仲。現役時代から自分の役割を精一杯果たし、汗をかいてくれる存在でした。きちんとしたビジョンを持って実践してくれる指揮官だとみています。

 指導者としては鹿島一筋。コーチからの昇格だけに、チームのことは熟知しています。選手たちのこともしっかり見て、信頼度も高いでしょう。チームを託すにあたって、これ以上の人材はいません。実績のある選手と、若手をうまく融合しながら、新しいアントラーズづくりを実現してくれると楽しみにしています。

 石井新監督が取り組むべきミッションは2つあります。ひとつは守備の安定です。低迷した最大の原因は、これまで鹿島の強みであった堅守に綻びが出たこと。特に守りで最も肝心なGKとセンターバックのトライアングルがずれてしまっています。

 これはセンターバックのメンバーが頻繁に変わっていることが影響しているでしょう。GKも不動の守護神だった曽ヶ端準がスタメンを外れることが増えました。やはり、守備の要がしっかりしないと攻撃にエネルギーを割けません。早急にGKとセンターバックのトライアングルを確立することが急務です。

 その上でボランチも含め、相手へのチャレンジとカバーをはっきりさせ、守備の決まり事をもう一度、徹底させなくてはいけません。この点は石井監督はDF経験もあるだけに十分に理解しているはずです。

 もうひとつは世代交代です。前監督のトニーニョ・セレーゾもチーム若返りへの意図は感じられました。今季の開幕戦で連続フルタイム出場を続けていたGK曽ヶ端をスタメンから外したのは、その象徴でしょう。

 いつまでもリーグ3連覇を達成した当時のメンバーが主力を張っていては、彼らの衰えとともに、チーム力は下降の一途です。結果は出ませんでしたが、セレーゾの方向性は間違っていなかったと感じます。