新白河原人01 起源
〜土地面積は東京ドーム約1個分!

【特別公開】守村大『新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活』

 

起源

フト気付いたら風呂場の鏡の中に、疲れて消耗し、脂ぎって肥え太ったオッサンがいた。うわっ! ひでぶ、ナニコレ、マジすか!? ショックで涙ぐみ、ヘラヘラと笑いました。

このまま消費経済に飼い馴らされたブタになってくたばるのヤダなて思った。ザ・ブルーハーツの「ブタの安心を買うより狼の不安を背負う」てフレーズがビンビンとキタ。“消費経済から脱却して、自給自足の生活てのオモシロそうじゃね”て思った。もしかして漫画のネタになるかもと、小賢しく考えたりもした。

無謀な信念と楽天に衝かれて山買った。ここいらへんの着想を行動化してしまうところは、四半世紀以上机の上で漫画しか描いてこなかった男の、ある意味ピュアなアホウのなせる技だと思う。

ここはみちのくの玄関口にある地方都市の街外れの雑木林。30年生ほどのクリ・コナラ・ヤマザクラ、実生の杉や松、植林して放置された檜林が渾然となって密生している。どの木も競い合って天を目指し、互いの樹冠をこすり合わせている。林床には人の背丈を超える篠竹がビッシリと繁茂。篠竹は荒れ山の象徴だ。人の手が何十年も入っていない様子が瞭然と窺える。

広さは4町歩、1万2000坪。東京ドーム約1個分の面積てことになる。広い広い。坪単価は、都心の郊外に我が家を求めた時の1/1800、約500円。ごひゃくえん。山林てのは経済的に虐げられている。

水道はない、電気もない、整地もされてない。現代人がフツーに生活するのに要求される最低限の要素が何もない。

♪なんにもない なんにもない まったく なんにもない♪

『はじめ人間ギャートルズ』の唄を口ずさみ、林内にぽつねんと立ち、ワクワクドキドキしている私は、いったい何者というべきか。

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守村 大(もりむら・しん)
1958年生まれの漫画家。モーニング(講談社)にて連載された『万歳ハイウェイ』『あいしてる』『考える犬』など、代表作多数。現在東北新幹線・新白河駅から車で10分の里山で開墾生活をしながら、モーニングにて『新白河原人』の漫画版『ウーパ』を連載中。

守村大・著
『新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活』

講談社 定価:1,500円(税別)

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