防衛・安全保障
米諜報機関に盗聴されても「NO」と言えない日本 憲法9条の拡大解釈はもう限界だ!
〔PHOTO〕gettyimages

安保問題、手順を間違えた安倍政権

ウィキリークスは先日、「米国のNSA(国家安全保障局)が日本政府や日銀、日本企業を盗聴していた」と公表した。日本の新聞各紙によれば、この問題について(NSAの上部組織に当たる)米国務省は、「日本政府からは抗議を受けていない」と述べたという。

おそらく、本当にそうだったのだろう。現在、参院で審議中の安全保障法案は事実上、自衛隊が米軍と一体化の度合いを深めるための法案だ。言わば、日本が今後、米国と一蓮托生の道を歩むことを決意する中、日本の政府・企業が米諜報機関から盗聴されたくらいなら目をつぶるしかない。そういうことなのだろう。

日本近海やその上空などで日本との一触即発の事態が目立ち始めた中国や、明らかに常軌を逸した首領が核兵器の開発を進める北朝鮮などの脅威が増す中、日本は米国との同盟関係を強化するしかない。確かに米国のNSAやCIAだって世界中で悪いことをやっているが、それ以上の制度的矛盾や危険性を抱えた国々が近隣にある以上、日本は米国の方を選ばざるを得ない。政府関係者はそう考えているに違いない。それはそれで仕方がないことだと思う。

が、問題はそこへと至る手順だ。集団的自衛権の行使をはじめ、急を要する安保法案をとりあえず通した後で、じっくり時間をかけて現行憲法を改訂する。いや、あわよくば日本人の手による自主憲法を成立させる---安倍政権はこんな夢を描いていたのかもしれない(私も含め日本人の多くは、憲法改訂で十分と考えていると思うが)。

だとすれば、それは順番を間違えていた。まずは憲法を改訂する、ないしは自主憲法を成立させた後で、新たな安全保障法を成立させる。これが本来の手順であって、この順番を逆にすると、新憲法は生まれた時点で形骸化してしまう。これが日本の将来に、どれほどの禍根を残すかを以下、順に説明していきたい。

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