世界中の人をクリエイターにし、世界中の街角を写真ギャラリーに変えたアップルのキャンペーン
カンヌライオンズ2015レポート【3】
カンヌ「広告祭」2015、表彰式の様子

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文・石井うさぎ(博報堂クリエイティブディレクター)

絵文字でつぶやくとピザが届く!

絵文字といえば、日本で生まれて爆発的に普及し、すっかり世界中の人々に親しまれるようになったコミュニケーション・ツール。海外でもそのまま「emoji」と呼ばれ、ある調査によると、イギリスの18歳から25歳の若者の72%が「言葉より絵文字の方が自分の感情を正確に表現できる」と答えているのだとか。

その絵文字を使ったビジネスアイディアのキャンペーンが今年、カンヌの「チタニウム部門」(従来の部門の枠を超えて、未来のコミュニケーションの方向性を示す作品を評価するもの)でグランプリを獲得した。

受賞したのはドミノ・ピザの「ピザエモジ・オーダリング」(Pizza Emoji Ordering)。翻訳すると「“ピザ絵文字”で注文」という意味だ。ツイッターだけでピザの宅配注文がすべてできてしまうというサービスの一環で、アメリカで5月に始まった。

ユーザーは「ピザ・プロファイル」に自分の名前やメールアドレス、電話番号などを登録しておき、注文するときに「ピザ絵文字」を使ってドミノのツイッターアカウントにツイートすれば、ピザが配達されてくるという仕組みだ。通常の文字を使う必要は一切ない。途中、確認のためにドミノからダイレクトメッセージが届き、たくさん注文した人には「パーティみたいだね~」という音声が語りかけるなど、楽しい工夫もなされている。

Domino Pizza “Pizza Emoji Ordering”

審査員長のマーク・フィツロフ氏は「アマゾンがワンクリックでオーダーできる仕組みを考えたように、(ピザ絵文字による注文は)小さいようでもビジネス上は非常に大きな工夫だ。創造性があふれており、他の企業も同じことをやれるくらい本質的な強さを持つアイディアだ」と絶賛した。