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カンヌライオンズ2015レポート【1】
カンヌでは有名な「映画祭」のほかに、毎年「広告祭」も行われている

文・石井うさぎ(博報堂クリエイティブディレクター)

カンヌ「広告祭」とは?

毎年6月下旬、美しい地中海を臨む南仏のリゾート地・カンヌで開催される世界最大の広告の祭典「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」(旧称「カンヌ国際広告祭」)が今年で62回目を迎えた。

このイベントは英語の正式名称を「Cannes Lions International Festival of Creativity」と言い、日本の広告関係者の間では一般に「カンヌライオンズ」、あるいは単に「カンヌ」と呼ばれている。

「カンヌで行われるフェスティバル」と聞くと、たぶん多くの人は、毎年5月の中旬から下旬に開催される「カンヌ国際映画祭」を連想するだろう。「広告祭」の方は、映画祭の1ヵ月後に同じカンヌの地で、約1週間にわたって開かれるが、中身はまったく別の祭典だ。

映画と広告では、当然とはいえ、参加者の雰囲気もかなり違ってくる。以前、カンヌの中心街の、あるベトナム料理店の店主が笑いながらこう言っていた。

「5月には、きれいな女優さんたちがニコニコしながらうちの店に来てくれるから、嬉しくてたまらないんだよ。でも、6月はいったい何なんだ? 世界中から、風変わりな広告業界の連中がわいわい言いながら押しかけてくる。1ヵ月でこうも街の雰囲気が変わるとは、毎年のことだけど、いつも驚いてしまうよ」