経済の下方リスクは依然高し
中国政府は市場介入よりも
痛みを伴う改革に着手せよ

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介入では止められない

足元で、中国株式市場が不安定な動きを続けている。6月中旬以降の株価急落は、政府の売買停止措置やIPOの抑制などによって一旦は収束したかに見えた。しかし、7月27日上海総合指数は一日で8.5%程度下落した。これは中国の経済が大きなリスクに直面していることを改めて示す動きだ。

一連の動きから分ることは、市場の圧力は強権的な政策では止められないということだ。株価を安定させるためには、景気自体を押し上げることが不可欠だ。しかし、現在の中国経済では、輸出、投資に成長のけん引役を期待することは難しい。

株価の維持は、国民の期待をつなぐために重要性が増している。今後も政府は、積極的に相場に介入することになるだろう。それが、本当の意味での経済の安定につながらない点は冷静に見るべきだ。

6月中旬以降、中国政府は強引に取引の停止などを打ち出し、株式市場の安定化に努めた。そうした措置は一時的に株価の急落に歯止めをかけ、投資家のリスク回避の動きを後退させた。その効果もあり、7月半ばには中国株式市場は反発した。

株価の反発は、基本的に、政府の相場介入が売り圧力を強制的に抑え込んだ結果であり、本来の意味での自律反発ではない。投資家は株価の下落を警戒しながらも、当局の対応に期待して株式投資に乗り出した。そのため、中国株式市場の不安定さは変わっていない。何らかのマイナスの材料が出れば、売り圧力が高まりやすい状況は続いている。

その一例は、7月24日に発表された製造業のPMI(購買担当者景気指数)だ。発表された数値は予想を下回り、昨年4月以来の低いものだった。その後、IMFが過度な相場介入に警告を発したことも投資家の懸念を招き、27日、上海株式市場は8.5%の下落を記録した。

依然として、中国の株式市場はもろい。中国政府にとって株価の維持は民衆の期待をけん引する上で重要だ。そのため、政府は相場維持への取り組みを再表明し、人民元の変動幅拡大を許容して輸出の促進を狙うなど、積極的な支援を打ち出している。

多くの投資家は、中国政府の対応を慎重に見ている。なぜなら、政府の介入は市場の価格形成をゆがめ、流動性の低下につながるからだ。介入の度合いが増すほど、株式市場の機能は低下しやすい。