雑誌

【独占インタビュー】投資の神様ジム・ロジャーズ「日経平均は3万円まで上がる。私も日本株を買い増したばかりだ。ただし…」

※最後までお読みください
〔PHOTO〕gettyimages

'87年のブラックマンデー、'90年代の日本のバブル崩壊も予見した伝説の投資家は、日本株は「買い」だと語った。だが、その口調に高揚感はない。彼の目には、日本の行く先がどう見えているのか。

アベノミクスは「魅力的」

私はいまも日本の株を所有していますし、買い続けています。7月の1~2週目にも買い増したばかりです。このまま行けば、日経平均株価は3万円まで上がる可能性があると私は考えています。アベノミクスは本当に魅力的な政策ですよ。そう、私たち投資家にとってはね。

そう語るのは、ジム・ロジャーズ氏(72歳)だ。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並ぶ世界三大投資家の一人で、「投資の神様」と呼ばれるロジャーズ氏が、本誌の独占取材に答えた。世界の市場を見通してきた彼には、日本経済、そしてギリシャ危機をはじめとした世界経済はどう見えているのか。

私が日本株を買い増している理由については後ほどお話しすることとして、まずは、世界を騒がせているギリシャ危機についてお話ししましょう。

シンプルに言います。ギリシャは、破綻するしか道はありません。いまのギリシャ危機は'09年末に始まりましたが、今年になっても状況は悪くなるばかりです。

これからも混乱が収束する見込みはありません。デフォルトによる市場の混乱を恐れる気持ちはわかりますが、根本的な問題の解決のためには、ギリシャが破綻する他に、もう方法はないのです。

この問題の本質は、ギリシャが1829年の独立以来ずっと、保有しているカネよりも多くのカネを使ってきたことにあります。ここ200年のギリシャの歴史を振り返って見ると、10年に一度は、財政危機に襲われている。それにもかかわらず、ヨーロッパ各国が、ギリシャにカネを貸し続けてきたことは驚きであり、理解できません。

いまのうちに格安のギリシャ株を買って、儲けようと考えている人もいるようですが、私はまったく買う気になりませんね。ギリシャは問題を先延ばしにしているだけで、展望はないのですから。3155億ユーロ(約43兆円)にまで膨れ上がった債務の返済が、不可能なことは明らかです。

7月20日、IMF(国際通貨基金)はギリシャから20億ユーロ(約2700億円)の延滞債務の返済を受け、「遅滞国」ではなくなったと発表しました。IMFは、これからもギリシャにカネを貸し続けるつもりのようですね。しかしそれでは、国の借金はどんどん膨らんでいく一方。何の解決にもならず、問題は悪化していくばかりです。

もし私がチプラス首相なら、ユーロに留まるという決断をします。しかし、政治家というのは愚かな行動をするもの。合理的に考えて正しい判断をするのではなく、感情的に判断して間違えるということは、歴史が証明しています。その意味で、チプラス首相はこの先、ユーロからの離脱という選択をするかもしれません。

ヨーロッパ全体で見ると、経済は回復基調にあります。日本も同じですが、紙幣をジャブジャブ刷って市場に流していますからね。そのカネを得ることができた人たちは、経済は良くなっていると感じています。

しかし、覚えていて欲しいのは、これは「人為的に操作された好況」なのだということ。ヨーロッパの国々の借金は、いまも増え続けている。それで見せかけの景気が良くなったとしても、そんな夢みたいな状況は長くは続きませんよ。

本当の意味でヨーロッパ経済を回復させるには、金融緩和に頼っていてはいけない。緩和策を止めて、ほとんどゼロにまで下がった金利を適切なレベルに上げることです。

ヨーロッパは、ここ数年、緊縮政策を主張していますが、どの国も今は前年より多くの負債を抱えていて、負債はこの先、もっと増えていくことが見込まれます。緊縮政策など機能しないのは目に見えています。日本の方ならよくお分かりになるのではないですか?

まずは、ギリシャをキチンと破綻させ、金融緩和と借金に頼った財政支出に依存する経済政策から脱却しなければなりません。それこそがヨーロッパに求められているのです。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら