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スクープ!
「ミスター粉飾」東芝前社長、
自宅を妻に生前贈与!

「株主代表訴訟」対策か。この会社はここまで腐っていた
社長就任から約2年。田中氏は大きな成果も残せず、辞任に追い込まれた〔PHOTO〕gettyimages

歴代3社長の辞任を発表した記者会見。最後まで自己弁護に終始した経営トップは、誰に怯え、何を守ろうとしたのか。辞任すれば逃げ切れると思ったら大間違い。重い試練を背負うのはこれからだ。

あの大江麻理子も噛みついた

東京都港区の東芝本社39階フロアーは、重い空気に包まれていた。この日で東芝社長を辞任することが決まった田中久雄氏(64歳)のはっきりとしない物言いに、メディア記者らのいら立ちが沸点に達しようとしていた。7月21日夕刻のことである。

この日は、4月に初めて明るみに出た東芝の不正会計問題について、第三者委員会がまとめた調査報告書の全容が発表されると同時に、経営陣の進退が発表されることになっていた。田中氏みずからが会見して説明するとあって、会場となる39階フロアーには400人ほどの記者や証券会社のアナリストらが殺到していた。

会見に先立って、第三者委員会の調査報告書が公表され、そのあまりに衝撃的な内容に関係者は騒然となっていた。東芝の幹部たちが組織ぐるみで約1562億円におよぶ利益の水増しを行っていた詳細が、これでもかと書き込まれていたからである。

報告書は田中氏についても、「ありとあらゆる手段を使って黒字化を」、「あれだけ構造改革をやって赤字とは言えない。いくらまでできそうなのか」などと、部下たちにプレッシャーをかけていた様子を詳述。田中氏が「見かけ上の利益が嵩上げされている事実を認識していた」とまで断定した。

それだけに渦中の田中氏の口からどんな言葉が発せられるのかと、会場は緊張感に包まれていたわけだ。

開始予定時刻の17時ちょうど、田中氏は会見場に入ってきた。

「心よりお詫び申し上げます」

「私は本日をもって取締役及び代表執行役社長を辞任いたします」

机に置いたペーパーを読み上げるために顔を下げ、両手は身体の前で組んだまま。田中氏が時にペーパーから顔を上げると、報道カメラのシャッター音が鳴り響き、まるで「犯人」の顔をとらえたかのようにフラッシュが眩しく光る。終始反省した様子で、田中氏は謝罪の言葉を語り続けた。

しかし、17時10分頃から質疑応答に入ると、田中氏の様子が変わっていく。

初めに田中氏の表情が曇ったのは、テレビ東京の人気女性アナウンサー、大江麻理子氏が質問した時だった。

「粉飾と考えていらっしゃらないのか」

大江氏が問い質したのは、東芝側が一連の不正会計を「不適切な会計処理」というあいまいな文言で表現していることについてだった。報告書では利益の水増しがあったとされているのだから、これは明白な粉飾ではないかと問うたわけだ。

しかし、田中氏は「第三者委員会の報告書では不適切な会計処理と書かれています」と、表情を曇らせながら、他人事のような回答で誤魔化した。

記者らは続けて、田中氏自身の不正会計への関与を問い質していったが、そこでも田中氏は「第三者委員会の報告書をご覧頂きたい」「直接的な指示をしたという認識はございません」と、歯切れの悪い回答に終始するばかり。

「嘘をつけと命じた認識はないというのでは、どういう風にこの件に関与しているのですか」

「さきほどから第三者委員会の報告ではとおっしゃっていますが、われわれが聞きたいのは田中社長ご自身がどうお考えになっているのかです」

しびれをきらした記者からこんな質問が飛んできても、田中氏は「それは第三者委員会の報告書を読んで頂いて……」と、逃げに徹したのである。

「ひどい会見だな」

「当事者意識がない」

約2時間にわたった会見が終わると、田中氏は東芝社員に守られながら、逃げるように会場を後にした。残された記者たちからは、こんな言葉が漏れ広がった。

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