利上げに積極的なFRBと、早すぎる金融引き締めを懸念するマーケット
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FRB内部は利上げに対して積極的

イエレンFRB議長は7月15日の下院金融委員会での議会証言で、年内の利上げの可能性を強く示唆する発言を行った。

FRBの米国経済に対する見通しは強気である。FRBが長年採ってきたQE政策による低金利が米国経済の正常化を後押しし、米国経済は「望ましいとされる水準」に近づきつつあるとの判断を示した。そして、利上げについては、「利上げをこなせる」というよりも、「利上げを必要とする状況にある」との認識を示した。

イエレン議長は、利上げの時期についての明言は避けているが、利上げのタイミングを待ち過ぎた場合、利上げ開始後の金利上昇ペースが速まるリスクが出てくる点をも指摘している。そして、利上げを「若干」早めに実施することのメリットは、その分、その後の金利上昇ペースが緩やかになる点であると述べた。

このことから、FRB内部は、(少なくともイエレン議長自身は)利上げに対してかなり積極的なスタンスに傾いていることが想像できる。よって、何らかの外的ショック(例えば世界的な株価暴落など)がなければ、9月16、17日のFOMCで利上げが実施される可能性があると考える。

7月15日に議会に提出されたFRBの「金融政策レポート(Monetary Policy Report)」では、FOMC参加者の、2015年末時点の「適正なFFレート水準」の中心値は0.63%となった。これは、前回(2月24日)と変わらないが、その分布が大きく変わっている。

前回は、0%から1.87%まで大きく散らばっていたが、今回は0%から1.12%までで、0.38%から1.12%の分布に見通しが集中している。1回の利上げ幅を0.25%程度と考えれば、利上げ反対論者、及び「1回の利上げで十分」と回答したメンバーは0%から0.37%のレンジに位置していると考えられ、その回答者数は2名だったことから、FOMCメンバーの大多数が「今年中に2回以上の利上げを実施すべし」と考えている可能性が高い。

つまり、複数回の利上げを実施するのであれば、最初の利上げはできるだけ早いタイミングでやりたいというのがFRBの意見であろう。

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