企業・経営
東芝の不適切会計問題 
それでも上場廃止にならないワケ

謝罪する東芝の経営陣〔photo〕Getty Images

東芝の不適切会計問題については、話がどんどん大きくなって様々な議論がなされている。ここでは東芝の「上場廃止の可能性」にのみ焦点を当てて、過去事例も踏まえて確認していきたい。はたして上場廃止はあるのか?

そもそも上場廃止を判断するのは誰か

上場制度とは、日本国内にいくつかの証券取引所があり、その証券取引所の審査で認められた企業が、その取引所のある市場(東証であれば、市場一部、市場二部、マザーズなど)で、不特定多数の人が証券会社を通じて株式を売買することを言います。

証券取引所そのものは株式会社であり、日本取引所グループも東証一部に上場しています。

よって、上場廃止になるか否かは、金融証券取引法のなど有価証券報告書虚偽記載罪(金融商品取引法197条1項)の適用の有無を斟酌することはあるでしょうが、あくまで取引所が自ら制定した「上場廃止基準」によります。特に行政または法律から直接関与・介入を受けるものではありません。

日本取引所グループの上場廃止基準(表1)http://www.jpx.co.jp/equities/listing/delisting/

表1をご覧いただくとわかるように、東証一部、二部の上場廃止基準は、株主数・時価総額・債務超過などの形式基準が中心となっています。ただ、その中に「虚偽記載又は不適正意見等」という項目があり、

a.有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合であって、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるとき

又は

b.監査報告書又は四半期レビュー報告書に「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨等が記載された場合であって、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるとき

とあります。

つまり、「直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかである」か否かを、今回の東芝の件について、東証が自ら判断することになります。

それでは、過去に似たようなケースでどのような判断がなされたのでしょうか?