経済・財政
話題の一冊を書いた元国家戦略担当相が指摘
「財政破綻」「ハイパーインフレ」という悪夢は、そこまで迫っている!

国債など国の借金が1000兆円を超える中、経済成長を優先する安倍晋三内閣は、予算の削減に消極的なようにみえる。

民主党内閣で国家戦略担当相を務めた古川元久・衆議院議員は、このままでは、もはや財政破綻は避けられないと語る。最近上梓した『財政破綻に備える 今なすべきこと』(ディスカヴァー携書)では、破綻を前提に地域社会が自立することで新しい価値観をもった経済態勢を目指すことを提言している。

アベノミクスの限界

ーーータイトルを拝見して、日本の財政危機を訴えることで増税ムードを作ろうとする最近はやりの本かと思いました。古川さんは財務省OBでもあるので。

古川 どう考えてもこのままでは財政破綻せざるを得ないでしょう。もちろんそれを回避するための努力は必要なのですが、今、安倍晋三政権がアベノミクスで進めている量的緩和もいつかは限界がやってきます。

ーーー日本の戦後のハイパーインフレを例に、経済破綻した場合の悲惨さを書かれています。

古川 ハイパーインフレは、普通の国民の犠牲のもとに国家がそれまでの膨大な借金をチャラにする方法です。財政が破綻すれば困るのは国ではなく国民です。しかも財産を持たない普通の庶民が一番困ります。社会保障の仕組みが行き詰まる一方、物価上昇で生活が一気に苦しくなるからです。

ーーーすでに破綻を見越して財産を海外に移している人も増えているようです。

古川 海外に移せるような資産を持っている金持ちはもう何年も前から海外逃避を続けています。ある著名コンサルタントと話していたら、投資する対象はドルか、生活必需品の会社の株式、都心の一等地の土地だと、何年も前から言っているそうです。困るのは一般の国民です。

今、財政危機が問題になっているギリシャも、対岸の火事ではありません。お札を刷れば問題が解決するというアベノミクスはどこかおかしい。マジックのようですが、種も仕掛けもないマジックなどありません。結局、先々に問題を先送りしているのです。

財務相の麻生太郎さんが、予算委員会で、借金が増えれば金利が上がるというのが若い頃の常識だったが、今日はそれが通用しなくなったという趣旨の発言をしていました。私は、歪みが溜まっているだけで、いずれ大地震になると感じます。「見えざる手」がどこかで働くことになると思います。

ーーーアベノミクスは禍根を残す、と。

古川 財務相だった藤井裕久さんなどとやっている近現代史研究会の話で、日米開戦当時の経緯などを勉強しているのですが、開戦当時、2年間は戦えるがそこから先は分からないという判断だったそうです。冷静に最悪のケースを考えれば、負けることは見通せていたはずで、あんな無謀な戦争はやらない方が良いという判断ができていたかもしれません。良いことだけ、楽観的なことだけを考えて決断を下したわけです。

おカネを刷りまくるアベノミクスは、日米開戦の時と同じではないのか、構造的な問題に手をつけず、時間稼ぎばかりしている。財政破綻という最悪のシナリオを想定していません。経済敗戦が財政破綻です。

今の政策を止めさせなければいけないのですが、操縦桿を握っているのは我々ではありません。この道しかないと思い込んでいる人が首相なので、困ったものです。

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