第9回ゲスト:カルロス川島さん (後編)
「キューバにとって葉巻は外貨獲得の手段であり、重要な外交ツールでもあります」

〔写真〕峯竜也 〔構成〕小野塚久男 〔撮影協力〕YOUR SONG

【前編】はこちらをご覧ください。

ハバナの街を走る50年代のアメ車に大興奮

島地 キューバに15回以上行っているカルロスにとって、あの国の一番の魅力はなんでしょう。

カルロス ひと言で表現するのは難しいですが、あえて言うなら「空気」ですかねえ。無理して働かなくていいようなゆる~い空気がある。それに、かつてアル・カポネやサー・ウィストン・チャーチルが泊まった「Hotel Nacional de Cuba」のテラス・カフェで、250円も出せばカプチーノとホテルのトルセドールが巻かれた上等な葉巻を吸えます。

島地 わたしはキューバには1回しか行っていませんが、ハバナの街並みはもちろん、そこを走るクルマには興奮しましたね。

日野 特にクルマ好きじゃないですよね、島地さんは。

島地 アメリカとの国交が断絶する1961年まで、キューバには大勢のアメリカ人が住んでいた。それがキューバ革命で追い出されるわけだけど、資本主義の絶頂前夜のアメリカ製品がそのまま残された。特にクルマはアメ車の全盛期で、40年代、50年代のパッカードやスチュードベイカーが今もタクシーとして走ってる。それがまた、カッコイイんだよ。

カルロス 日本からの観光客で、とくに島地さんくらいの世代の人は、街を走るクルマに異常に興奮しますね。

島地 終戦当時、わたしは4歳半でしたが、それからしばらく東京の街中を米軍の将校が運転手付きのパッカードやスチュードベイカーで走り回っていました。その様子がとにかく格好よくてね。ハバナでまったく同じ状態で走っているのを見て、涙が出るくらいうれしかったんです。

日野 歳をとっても互いまだまだ現役だと。

カルロス さすがにエンジンは日本製に積み換えているんですが、外観はよく手入れされていて、古い街並みに似合っているのは間違いないですね。リペアされたオープンカーで走るヨーロッパの観光客もよく見かけます。