「キューバで『ハバノアワード』に初めてノミネートされ日本人ですが、もちろん受賞はしてません」
第9回ゲスト:カルロス川島さん (前編)
〔写真〕峯竜也 〔構成〕小野塚久男 〔撮影協力〕YOUR SONG

都内某所のとあるバーが、平成の巌流島に?

島地 おい、日野! 佐々木小次郎は、巌流島でどれくらい宮本武蔵を待ったんだろうな。

日野 吉川英治大先生の『宮本武蔵』には2時間とあったような気がします。

島地 えらいな、小次郎は。俺ならとっくに帰ってるよ。で、カルロス川島はどうなってるんだ。約束の時間はもう過ぎてるのに、あらわれる気配がまったくない。俺は小次郎になるつもりはないから、ちょっと電話してみてくれ。

日野 はい。もしもし・・・カルロスさんですか?・・・今どちらに・・・えっ? マジすか!・・・了解しました。はぁぁぁ。

島地 どうした。

日野 えー、なんと開始時間を勘違いしていて、これから家を出るそうです。

島地 なにッ! やっぱりラテンの男は時間の感覚が違うようだな。山田さん、山崎さん(YOURSONGの共同経営者のお二人)、せっかくいつもより1時間早くお店を開けてくださったのに、申し訳ない。こんどSHISEIDO MENの連載でちゃんと取材させていただきますから勘弁してください。

日野 本当にすみません。私がもっとしつこく念を押しておくべきでした。ところで、カルロス川島さんって、生粋の日本人なんですか? それとも両親のどちらかがあちら系?

島地 いや、俺が知る限り純度100%、混じりっ気なしの日本人だ。彼はキューバに最も詳しいというか、淫してしまった日本人といえるんじゃないかな。葉巻に関する本も出版していて、この『紫煙の誘惑』というのは、情報のボリュームといい精度といい、素晴らしい名著だよ。俺との関係は、シガーフレンド。葉巻の煙に燻された仲、かな。

日野 なるほど。40分くらいで着くということなので、もう少し待ちましょう。