ロボットに職を奪われる労働者が激増!
中国経済の構造的な「限界」があらわになりつつある

The NewYork Timesより
〔PHOTO〕gettyimages

文・マーティン・フォード

 中国で急激に進む製造業のロボット化

過去10年、中国は世界の多くの国にとって、低賃金労働者を使いまるで無尽蔵に全業界を食い尽くす「職喰いモンスター」と化していた。

けれども今や中国は、その意識をロボットへとシフトしつつある。この移行は、中国経済だけでなく世界の経済にも大きな影響をもたらすだろう。

中国の工場で使われているロボットの数は、2014年に世界の工業用ロボットのおよそ4分の1を占めた。これは2013年から54%増加している数だ。国際ロボット連盟によれば、2017年までに、中国はどの国よりも多くのロボットを導入するようになるということだ。

重工業が盛んな広東省の大手家電メーカー、Midia(美的)社では、2015年末までに、住宅用エアコン部門の従業員6000人分の仕事を自動化する計画だ。これは全従業員の約5分の1に相当する。

一方で、アップルなど企業向けに家電製品を製造しているフォックスコン社では、3年以内に工場の作業の70%を自動化する計画で、成都の工場では、すでにすべての作業がロボット化されている。

職を求める中国人女性---〔PHOTO〕gettyimages

中国の工場で働く従業員の数は、これまでアメリカやその他の先進国よりもさらに速いペースで消えていくものと思われる。それにより、中国の経済上の優先課題のひとつである問題、つまり、国内消費の比重を現在よりもはるかに高めるために、経済バランスを是正する問題に対処することが、これまでよりもさらに難しくなると予想される。

中国の経済成長はまた、輸出品の製造だけでなく、住宅、工場、インフラなどの固定資本への投資によっても牽引されてきた。実際に近年、投資は国内総生産の約半分を占めている。一方で、全経済に占める国内消費の割合は、わずか3分の1で、これはアメリカの約半分の水準だ。

これは、明らかに持続不可能な状態だ。これらすべての投資から、最終的にはリターンがなければならない。工場は、販売利益を得られる商品を製造しなければならない。住宅は居住者から家賃収入を得る必要がある。そのようなリターンを生むために、中国の各世帯が底上げされ、今よりも大きな力をもたなければならないのだ。

つまり、中国の工場で作られた商品だけではなく、サービスについてはもちろんのこと、今よりもはるかに多くが消費されるようになる必要があるのだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら