読書人の雑誌『本』
コーヒー消費1位は京都、スイーツ好きは金沢……
日本の「家計調査」はマーケティング戦略の切り札になる!

世界のどこにもない消費者ビッグデータの使い方
〔PHOTO〕gettyimages

『家計調査』は日本にしかない消費者ビッグデータだ

(文・吉本佳生)

コーヒー消費量1位は京都市、紅茶消費量1位は神戸市

今年5月23日に、スタバが全国で唯一進出していなかった鳥取県の、県庁所在市である鳥取市に、はじめてとなる店舗をオープンしました。

このニュースを報じるなかで、鳥取市は、2人以上世帯のコーヒーの消費量が47都道府県庁所在市のなかで2位であることが紹介されていました。

1位は京都市で、鳥取市民はそれにつぐコーヒー好きなのに、あるいは、家でそれだけコーヒーを飲むからこそ、これまでスタバが出店しなかったといった話が、複数の情報番組で出ていました。このデータは、総務省の『家計調査』にもとづくもので、2012年と13年の数字でみれば、たしかに、1位京都市、2位鳥取市でまちがいありません。

しかし最新の14年の数字では、2位は金沢市で、鳥取市は3位にも入っていません。また、外食のうちの喫茶店に対する支出額をみると、1位は名古屋市で、2位は岐阜市です。

京都市民は、単にコーヒーが好きなだけではありません。牛乳の消費量も1位です。他方、紅茶の消費量で1位なのは神戸市で、神戸市民は、食パン、他のパン、パン全体のすべてで、消費量1位です。紅茶を飲みながらパンを食べるスタイルを好むといえます。

また、金沢市民は、コーヒーにしても、紅茶にしても、47都道府県庁所在市のなかでは、1番高い価格のものを買います。

じつは、金沢市民は、和菓子・洋菓子の両方で、とにかくスイーツ好きです。たとえば、和生菓子、洋生菓子、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム・シャーベットへの支出額は、すべて金沢市が1位です。これらのスイーツの味を堪能するために、高いコーヒーと紅茶を飲み、コーヒーの消費量も増えるという行動パターンが想像できます。