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マクドナルドの二の舞か? 
なぜだ! ユニクロが突然、売れなくなった

「飽きた」「高くなった」「もう欲しい物がない」……
柳井社長は「2020年までに売り上げ5兆円」を掲げるが……〔PHOTO〕gettyimages

——何の前触れもなく、客にソッポを向かれる恐怖

世界各地に次々と店を出し、右肩上がりに伸びてゆくジャパンブランドの筆頭格。しかし足元の日本では、異変が起きていた。訳知り顔の人々は「大したことじゃない」と言う。本当にそうだろうか。

中国人には売れるけど

ユニクロの歴史は、成長の歴史に他ならない。

柳井正社長が、前身の衣料品店「小郡商事」の社名を「ファーストリテイリング」に変えた'91年、ユニクロの店舗数は30足らず、売り上げも約70億円だった。それが今や、全世界で3000店を営み、1兆6500億円を売り上げる。25年で200倍以上、まさにジャパニーズ・ドリームそのものである。

しかし、毎年のように2桁成長を続けてきたこの「奇跡の企業」が、突如として壁にぶち当たった。6月の国内売り上げ高が、前年比マイナス11・7%……。常に「絶好調」という枕詞付きだったここ数年、目にしたことのない落ち込み方だ。

7月9日に発表された昨年9月~今年5月期の国内売り上げ高は、前年同期比12・1%増と、確かに好調だった。多くの経済記者やアパレル関係者も、6月の売り上げが急減した理由について、

「6月は気温が上がらず、夏物が売れていない」

「とはいえ、ユニクロは今、創業以来の好調に沸いている。単月の売り上げが減ったというだけで、ただちに致命的な影響が出るとは思えない」

などと口を揃える。しかし、こんな声もある。

「私はユニクロの経営そのものが節目を迎えていると思います。彼らがこれまで築いてきたビジネスモデルに、限界が訪れたのではないでしょうか」(早稲田大学大学院商学研究科・長沢伸也教授)

人は想定外の状況を目の当たりにしたとき、「大したことじゃない」と自分に言い聞かせ、取り返しがつかないと分かってようやく、ことの重大さを悟る。今、ユニクロがおかれた状況、そして日本の消費者の心理はそんな「ターニングポイント」にさしかかっている。

東京の一等地、銀座6丁目にそびえるガラス張りのショーウインドウ。国内最大規模の旗艦店・ユニクロ銀座店は、梅雨空をものともしない外国人観光客で賑わっていた。免税カウンターに、中国人客が長い列を作る。

「中国人にとって、ユニクロは『日本へ旅行すると必ず行きたい店』という地位を確立しています。中国の店で売っている服よりだんぜん品質がいいけれど、欧米の高級ブランド服ほど高くない。中国のホワイトカラー層の給与水準から言うと、ユニクロの商品は安いわけではありませんが、背伸びしてでも買う価値があるのです」(中国出身の全国紙経済部記者)

「爆買い」で日本中を賑わせた中国の人々の間では、ユニクロのブランド力は強力だ。中国本土でもこの1年だけでおよそ100店舗を新たに出店。内陸の田舎町でさえ、今やユニクロの名を知らない人はいない。

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