国家は国民を裏切る!
ジャーナリスト田原総一朗、戦争体験を語る(1)

「みんなの戦争証言アーカイブス」を立ち上げた理由

text 堀 潤

私は去年暮れ、テレビ業界で働く仲間達と共に太平洋戦争終戦から70年を前に、当時の現役世代の方々から戦争体験を聞き取り、アーカイブし、インターネットで公開する「みんなの戦争証言アーカイブス」というプロジェクトをスタートさせました。

次の日本を創っていくうえで、過去の事実を正確に知ることはとても大事なことだと思っているからです。

歴史は勝者によって塗り替えられる、とはよく言ったもので、事実は次第に風化し、忘れ去られ、そして都合の良いように利用されていくものです。1次情報にいつでもアクセスできる環境をつくることが、私たちメディアで働く人間の社会貢献だと思い、このプロジェクトを立ち上げました。

太平洋戦争終結はもう70年以上前のことになりますから、当時の現役世代のみなさんはすでに80歳~100歳代です。いま、聞き取っておかなければもう後はありません。

昨年夏頃からインタビューをはじめ、これまでに20人以上の方々の聞き取りを終え、順次サイトで公開しています(→こちら)

昭和11年(1936年)の2.26事件の関係者や、日米開戦から終戦までを現場の将校として戦った方、旧満州からソ連兵に銃撃されるも命からがら引き揚げてこられた方、日本の離島基地で飢餓線をさまよった兵士、元特攻隊員のパイロットの方まで様々な経験者たちに話を聞いて回っています。

SNSを通じて呼びかけていることから、「ぜひ、うちの親戚の声を聞いてほしい」「祖父の体験を一緒になって聞き取ってほしい」などの依頼もありました。情報提供など頂けましたら、私たちがカメラを持ってお伺いしますので、ぜひご一報ください。

ジャーナリスト田原総一朗さんの原点

さて、今回はそうした証言の中から、ジャーナリスト田原総一朗さんの戦争体験を皆さんと共有します。

田原さんは昭和9年(1934年)4月15日に滋賀県で生まれました。2.26事件が起きる2年前です。盧溝橋事件は3歳、真珠湾攻撃は7歳でした。子ども時代は戦争一色、軍国主義の真っ只中で育ちます。

開戦から敗戦、そして戦後。時代の大きな転機に田原少年は翻弄されてきました。

「大人の言うことを信じてはいけない」

ジャーナリスト田原総一朗さんの原点は、少年期のこうした体験に根差したものとも言えます。