自民党の中を変えれば新しい政治ができる! 元日銀・オックスフォード卒の若手議員が政界に入った理由
オックスブリッジの卒業生は、いま

シリーズ「オックスブリッジの卒業生は、いま」、最終回となる今回は衆議院議員・小倉將信先生にインタビューをしました。小倉先生は日本銀行に入行後、2009年にオックスフォード大学にて金融経済学修士を取得。2011年に自民党の公募に合格、2012年12月の衆議院議員総選挙にて初当選。現在2期目の若手議員として、経済・財政政策はもちろん、住宅市場問題や遺伝子情報保護、日本版USTR(米国通商代表部)の検討、といった幅広い分野で活躍しています。

ヨーロッパ、イギリス、そしてオックスフォードを選んだ理由

―小倉先生が留学先としてオックスフォードを選ばれたのはなぜでしょうか?

留学に行く前、日本銀行では、国際金融関係の仕事に携わっており、上司の御付きでG7やG10、G20といった各国の首脳が集まる会議に参加する機会に恵まれました。このような国際会議で一番驚いたのは、アメリカではなく、ヨーロッパの代表者たちが議論をリードしていたこと。これには、経済規模だけでは語れない説得力がヨーロッパにはあるからだと感じました。上司からは、「ヨーロッパの伝統は世界中どこに行っても一目置かれる。それは理屈ではなく、経済合理性でもない。ヨーロッパは、民主主義や資本主義といった近代社会の発祥の地なので、それらの国々の発言は、国際金融の場であっても皆一目置くのだ。」と言われ、妙に納得したものでした。

留学先としては、確かにアメリカという選択肢もありましたが、アメリカは仕事でこの先行く機会があるかもしれないし、若いうちに自分が国際金融の場で目の当たりにした「ヨーロッパの伝統」に触れるのが良いのではないかと思い、イギリスを選びました。日本銀行からはファイナンスを専攻するようにと言われていましたので、この分野に強いLBS(London Business School)とLSE(London School of Economics)に加え、オックスフォードに出願しました。

LBSとLSEからもオファーをもらったのですが、最終的には、どうせイギリスに行くなら一番伝統のあるオックスフォードで学びたい、ということで決めました。この際、周りの先輩からは、「オックスフォードでファイナンスを学ぶなど、寺子屋でパソコンを習うようなものだ。」と冷やかされましたが、確かにオックスフォードの一般的なイメージとしては、哲学や政治学といった昔からある学問を学ぶ場であって、ファイナンスといった新しい学問を学ぶ場でない、というものがあったかもしれません。

でも実際にはその逆で、オックスフォードは、サイード・ビジネススクールを作って、ファイナンスに力を入れており、世界中から優秀な学生が集まっていると聞いていました。事実、私の在学中も著名なベンチャーキャピタリストやヘッジファンドの関係者がよく講義に来ていましたが、これは「オックスフォードで話すことの名誉」に引き寄せられたからだと思います。伝統的な学問では常に世界のトップ5に入るような名門校が、ひとたび、ビジネスやファイナンスといった実学に力を入れだしたらどうなるのか。オックスフォード大学のブランド力、資金力、同窓生のネットワークはずば抜けているわけですから、将来性を買ったという面もあります。

所属していたマートンカレッジ。留学時、三宮笠彬子女王殿下も同時期に所属されておられた(出典:Wikipedia)