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中国株、ギリシャ危機より恐い
投資家が最も怖れるアベノミクス「第4のリスク」とはなにか

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最後にして、最大のリスク

公的年金資金と日銀のETF買い(年間3兆円)が下支えにあるとの安心感もあり、株式投資家はここしばらく概ね強気のムードの中にいた。とはいえ、リスクを全く考えていなかったわけではない。大方の投資家にとって、日本の株価水準そのものがバブル化するという根本的な要因を除くと、米国の利上げ、ギリシャ、そして中国が3つのリスク要因だった。

米国の利上げは、今年の年初から年央へ、さらに9月か、あるいは年末かといった調子で、予想を後に修正する形で実施が先送りされてきた。世界の投資マネーの潮目が変わる可能性があるので、引き続き油断は出来ないが、当面直ぐの心配事ではない。

ギリシャ、中国は、最近それぞれに気になるイベントがあった。ギリシャは、EU諸国による支援がどうまとまるか、引き続き心配な問題だが、1つには日本から見ると遠くの問題だし、もう一つには、そもそも国際的な債務問題は、債権国・債務国共に、0%か100%かではない間のどこかに「落とし所のある問題」なので、もともと大いに心配するには及ばない。前のショックの時のように、イタリアやスペインの国債も利回りが上昇するような事態になると心配だが、現在そうなってはいない。

中国は、上海株価の急騰、急落、そして政府による株価対策とめまぐるしい展開だ(当面、空売り規制の効果はあるようだ。確かに、中国のような国で「悪意の空売り」と認定されるのは怖い)。しかし、もともとの株価の上昇が脆弱なものだったことが分かったし、個人を主体としたバブルが崩壊しつつあるようだ。

中国のバブル崩壊(資産価格下落)は、遠くのギリシャよりも日本への影響が大きいが、中国の資産価格下落は、かつてのサブプライム問題などとは異なり、外国に金融的な影響が及ぶものではない。従って、バブル崩壊は、主として中国経済の成長率低下を通じて、実物経済チャネルで伝わってくるはずだ。

加えて、90年代初頭からの日本のバブル崩壊を思い出しても分かるとおり、バブルにはしばらく余熱があり、消費や生産が顕著に低下するまでには、小さく見積もっても1、2年の余裕がある。