雑誌 ドクターZ
消費増税には意味がなかった?
「日本の決算報告」を読んで分かった財務省「増税論」のワナ


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税収が大幅に増えた

財務省が'14年度決算概要を公表し、税収が前年度比7兆円の大幅増となった。

まず所得税については、「'14年度税収額」、「前年度比増加額」、「前年度比増加率」がそれぞれ16兆7902億円、1兆2594億円増、8・1%増。法人税は、11兆316億円、5379億円増、5・1%増。消費税は増税もあったので、16兆289億円、5兆1996億円増、48%増で、その他税では10兆1200億円、209億円増、0・2%増。そして、税収全体では、53兆9707億円、7兆178億円増、14・9%増だった。

さて、これはなにを意味するのか。

財務省はこれまで、税収弾性値(名目GDPが1%伸びるときに、税収が何%伸びるかという指標)が「ほぼ1」だと主張し、景気回復しても税収はさほど伸びないと言ってきた。これが今回の税収の大幅増を受けて、財務省の主張が大きく崩れ去ったとネット上で騒がれている。

たしかに、その気持ちはわかる。'14年度の名目GDP成長率は1・6%なので、形式的に税収弾性値を計算すると、税収伸び率14・9%を1・6%で割って、9・3と言いたくなる。

しかし、これは財務省に簡単に論破されてしまう。というのは、税収弾性値は「税制改正なかりせば」という前提で計算されるもの。実際、税収増の大半は消費税の増加であり、これは消費増税に基づく。税制改正の影響を除いて正確な税収弾性値を計算するのは、専門家でないとまず無理なのだ。

というわけで、この理屈では財務省に一泡吹かせることはできない。しかし、財務省を攻めるポイントはほかにある。