安定か混乱か、世界が注目
中国政府の「株価急落対策」は効果があるのか

〔PHOTO〕gettyimages

7月に入り、中国株式市場の動向に注目が集まっている。6月から上海総合指数は急上昇し、同月12日には一時、リーマンショック後の高値を更新した。しかし、上昇相場は長続きせず、その後急速に下落した。

株価の不安定な展開は中国経済に対する懸念を高め、世界的に株価が不安定になったり、鉄鉱石や原油など商品市況にも下落圧力をかけている。

急落した株式市場への懸念を抑え込むために、中国政府は矢継ぎ早に思い切った対策を打ち出した。株価対策が急速かつ大規模に打ち出されたことを受けて、市場の懸念はひとまず沈静化したとの見方もある。

しかし、中国の実体経済は未だ不安定な状況を脱していない。そうした実体経済の動向を見ると、今後、中国株式市場が不安定に推移する懸念は残っている。

なりふり構わぬ下落対策も効果なし?

6月下旬以降、株価の下落を食い止めるために、中国はなりふり構わず思い切った対策を打ち出した。主な対策は、中央銀行による利下げや流動性の供給、IPO(株式の新規公開)の制限、証券会社などによる株式買い入れ、そして、株式の売買の停止がある。

政府は思い切った対策を打ち出すことで、投資家の信頼を回復させたかったのだろう。しかし、対策導入後も相場は下落し、6月末から7月8日までの間、上海の株価は約18%下落した。この間、中国政府はさらになりふり構わず次々に策を発表した。売買停止の強化だけでなく、公共投資の前倒しも発表して懸念の払しょくに努めた。

こうした矢継ぎ早の対策を受けて、漸く、7月9日、10日の間に相場は10%反発した。ファンドマネージャーの一人は、「ひとまず悲観論が後退し、市場は落ち着きを取り戻しつつある」と話していた。しかし、景気の先行きを考えると、依然、相場の下方リスクが意識されやすい状況に変わりはない。

一連の対策は、取り敢えず中国の株式市場に落ち着きをもたらすことだろう。しかし、これで株式市場が安定に向かうかと言えば、そう簡単ではない。かなりの懸念が残っている。過度な期待は禁物だ。基本的に、相場安定化策は市場機能を低下させやすい。特に売買停止の結果、特定銘柄への売り圧力は解消されづらくなっている。流動性低下も懸念される。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら