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【現地ルポ】他人事ではない!
「借金まみれ」ギリシャを見て、10年後の日本を思う

老人も中年も若者もみんな苦しい〔PHOTO〕gettyimages

まともな治療も受けられない

「ギリシャでは財政問題が明るみに出て以降、風景が一変しました。

ほんの一例を挙げれば、失業者や貧困者が街には溢れ出す。自宅のローンが支払えない人たちや、長い失業で家賃が払えない人たちが家財道具一式を車に詰め込み、車上生活する姿も散見されるようになりました。

国が借金返済の財源を確保するために、これでもかというほど財政支出をカットするので、さまざまな公共サービスの運営が滞り、国民生活に混乱も生じています。

たとえば、病院です。公立病院が医薬品や衛生用品などを購入する費用を政府が捻出することができないため、公立病院にそれらが納品されない状況になっている。そのため緊急の手術は受けつけるけれども、急を要さない手術などは無期延期状態。早期に治療できず、以前なら助かる病気も助からないという悲劇的な事態に陥っています。

公立病院は以前は無料だったのに、いまは少額ですが支払いが必要になりました。だが、公立病院に来る人の中にはその少額の現金さえ支払えない人がいる」

ギリシャ現地の状況を克明に語ってくれるのは、アテネ在住ジャーナリストの有馬めぐむ氏である。

ギリシャの莫大な財政赤字問題が発覚したのは、いまから6年前のこと。それ以来、ギリシャは「借金まみれ」から脱却するために財政緊縮策を続けてきたが、いつまで経っても借金は返せず、その度に追加で財政支出のカット、カットを続けてきた。その結果起きているのは、冒頭の発言にあるような目を覆うばかりの国民の「生活崩壊」である。

これを他人事と見ていられないのは、実は日本はギリシャより最悪の財政問題を抱えているからにほかならない。