高橋洋一「ニュースの深層」
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古賀連合会長の「日銀法改正」
発言を報じないメディアの自滅

政府当局の意のままに操られ

2010年04月12日(月) 高橋 洋一
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 記者クラブ問題や小沢一郎報道などもあって、最近、メディアと政府当局との関係が関心を呼んでいる。私自身は、かつて当局サイドにいて情報発信側だったので、その観点から日本のメディアを見てきた。正直いって、扱いは簡単だった。私の思惑のまま、当局側のいうとおりに報道してもらった。

 特に、海外との比較などをちょっとした紙の資料にして渡すととても喜ばれ、そのまま転記してもらって記事になることが多かった。当然メディアに流す情報は役所にとって好都合のものだ。

 こうした私の経験をふまえ、先週の3日間に起きた金融政策に関する報道を振り返ろう。

 出来事は、4月6日(火)の民主党デフレ脱却議連、7日(水)の日銀政策決定会合、9日(金)の鳩山・白川のトップ会談である。

 結論から言おう。当局の意に反した情報は、ほとんど報道されないということだ。

 4月6日、「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(会長松原仁衆院議員、以下デフレ脱却議連)の第2回会合が都内で開かれた。ここで鳩山政権のキーマンから重大な発言があったのに、ほとんどのメディアがその事実を報道しなかったのである。

 そもそも、3月30日に結成されたこの議連そのものが興味深い。民主党は小沢一郎幹事長の方針で、政策は政府に一元化することになっており、基本的に党での政策議論はない。ところがこの議連では、基本政策である金融政策について、政府とは別に党内で堂々と議論を行っているのである。しかも、その議連に100人以上が名前を連ねているのだ。

 30日の第1回会合では、武藤敏郎・元日銀副総裁が講師だった。元財務省事務次官である武藤氏は福田政権の時、日銀総裁候補になった。しかし、参議院で民主党が財務省OBであることを理由に同意人事に反対したため、総裁に就任できなかった経緯がある。そんな人物を、「デフレ脱却議連」が呼んだのは面白い。

日銀が青ざめた「デフレ脱却議連」での衝撃発言

 さて6日の第2回会合には、連合会長の古賀伸明氏、元・東京商工会議所副会頭の中西真彦氏、そして私が招かれ、順番に講演を行った。その日は、国会がのびて午後3時スタートの予定が40分遅れとなった。

 古賀会長は午後4時10分までしか時間がなく、あわただしい形でスピーチを行ったのだが、その最後に注目すべき発言をしたのだ。

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