有名な心理学研究のうち「再現性がある」ものはわずか39%だった

2015年07月11日(土)
〔PHOTO〕gettyimages

一流の研究者によって書かれたからといって、論文の内容をそのまま信じてしまうのは危険である。そうした考えから、心理学の分野では、「研究結果の再現性」を、ほかの研究者が検証する動きが強まっている。

英「ネイチャー」誌によると、2011年以降、世界の250人以上の研究者からなるプロジェクトグループが、有名な心理学の研究成果100件を試す実験を行った。すると、実際に再現性が確認できるのは、わずか39件に留まるという結果が出たのだ。実験の対象となったのは、心理学の主要な学術誌3誌に掲載された、08年発表の研究成果。カリフォルニア大学サンディエゴ校の認知心理学者ハル・パシュラーは言う。

「定評のある学術誌に掲載された論文であれば、研究者すらその内容は正しいと考えてしまいがちです」

ネイチャー

だがこれは、心理学がほかの分野に比べて、厳密性が低いことを意味するわけではない。スタンフォード大学で、研究者の不正行為について検証しているダニエル・ファネリによると、がん研究や新薬開発の分野では、再現性のある研究の割合はさらに低くなるという。ちなみに、今回再現性が確認されなかった心理学研究61件のうち、24件には「それなりに似た」結果は出た。

「新発見」をする研究者のほうが、他人の発見を検証する人より注目されやすい。だが、科学を真に発展させるためには、再現性の検証も徹底して進めていく必要があるだろう。

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