雑誌
あなたの車は狙われている!
自動車盗難なんて、自分には関係ないと思っていませんか?

一般社団法人 日本損害保険協会集計
注)1.クラウンにはマジェスタ、エステート含む。2.ランドクルーザーには、プラドを含む。3.マークXには、クレスタ、チェイサー、マークⅡを含む。4.ハイエースにはレジアス、グランビアを含む

クルマは財産であり、大切な思い出を乗せている相棒でもある。そんな愛車が突然消えてしまったら……

'13年と比較すると、'14年の盗難件数はかなり減ってはいるが、特定の地域や車種においては、いまだかなりの盗難被害が確認されている。

日本損害保険協会が発表した自動車盗難件数で、'13年11月は、ハイエース148件、プリウス70件と、2倍近い差があったのだが、'14年11月はプリウス70件、ハイエース40件と逆転した。

しかし、なぜこれほどまでにトヨタ車の被害が多いのか? 盗難されたクルマは、一体どこに流されるのか?

そんな疑問を含めた自動車盗難の実態について、裏社会をよく知るライターの夏原武氏に、そして実際の手口と、どうすれば愛車を盗難から守れるのか? については、元クルマ泥棒に語ってもらった!

裏社会を知る男夏原武氏が語る自動車盗難の実態
狙われたら最後! 路上駐車や玄関先に置いてあれば、ものの2分で盗みます!

「日本人は、危機意識が薄すぎるんです。対策せずに置いてあるクルマは、狙われたら最後、確実に盗まれますよ!」

開口一番そう語ったのは、自身も裏社会に身を置いたことがあり、その実情に詳しいマンガ『クロサギ』の原案者でもあるライターの夏原武氏だ。確実とまで言わしめる理由は何か?

X線検査も行うが、この状態では盗難車を見極めることは難しい

「実際に見せてもらったことがありますが、上手い人間だとドアの鍵なんてものは、数十秒で開けてしまうんですよ。あとはイモビカッターを使えば終わりです。運び出すまで、かかっても2分くらいですよ」

衝撃的な早さだ。それではまず気付くことはできないだろう……。実際にクルマ泥棒を行うのは、どのような素性の人間が多いのだろうか?

「解錠に関しては中国人が多いですね、運転手はブラジル人。ただ最近は外国人であることを理由に、警察に職務質問されることが増えてきたので、運転手に日本人を使うケースも増えています。組織的に行う場合、バックには暴力団がいますね」

やはり暴力団の資金源になっているのだろうか?

「そうですね、'92年に施行された暴力団対策法の影響が非常に大きくて、詐欺や強盗などをやって稼ぐしかなくなった暴力団が出てきたんです」

■地域で変化する盗難事情

警察庁刑事局集計

'13年の自動車盗難認知件数でトップだった千葉県で急激に数が減っているが、何か理由があるのだろうか?

「千葉県にはヤードが数多く存在していたんですが、警察が摘発に力を入れたため、処理する拠点がなくなり、盗難数もそれに比例して下がっています」

対して、愛知県はむしろ増えてしまっているが……。

「愛知県は、暴力団など裏と繋がったいかがわしい中古車屋や解体屋などが数多くあり、さばき先が多いんですよ」

トヨタのお膝元であり、盗む対象も多ければ、さばき先も多いとあっては減少しないわけだ。

■盗難車の意外な流通ルート

日本車の盗難が、これほどまで多い理由は何だろうか?

「日本車は故障しないし、部品も手に入りやすいという理由で、海外で人気が高く、常に需要があるんです。プリウスやハイエースなどは特に人気があって、車両構造も簡単なので、盗難車をヤードに運び込み、屋根とピラーを外すなどばらしてから、コンテナに中古部品と混ぜて詰め込みます。再度組み立てれば、商品としてさばけますからね」

税関では厳しいコンテナの検査が行われているが、部品がぎっしり詰まったコンテナに関しては、人手が足りず抜き打ち検査に留まっているそうだ。では、網をかいくぐった盗難車は、一体どこへ向かうのか?

「ドバイです。ドバイは盗難車をもう一度組み立てる技術が非常に高いんです。そこで組み立てて、イギリスなどへ売られていきます」

ドバイとイギリスとは、まったく想像していなかった。イギリスに流されるのには、何か理由があるのだろうか?

「日本と同じ右ハンドルなんですよ。わざわざ左ハンドルにする必要がない。だから、盗難されたランクルも、一旦中東などを経由したあと、イギリスに持ち込まれるんです」

海外の盗難車市場では、ベンツよりトヨタといわれるほどの人気で、需要があるクルマを盗む、盗みやすいクルマを盗むというクルマ泥棒の傾向は、20年以上変わっていないそうだ。

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