35歳、既婚の僕が起業に踏み切れた理由
by 辻庸介(マネーフォワード代表取締役社長CEO)
photo iStock

TEXT 辻庸介

わからないことだらけの中で意思決定しなければならない

起業を目指している若い人から、「起業したいけどふんぎりがつかないときはどうすればいいですか?」という相談をよく受けます。この相談に対して僕が回答するのはだいたい以下の2パターンです。

・それは人生をかけてでも本当にやりたいと思ってないんじゃないの?
・僕もマネックスを辞めるときが一番大変だったよ

勤めている会社を、ましてや自分がお世話になっていて愛着がある会社を辞めて起業するというのは、大変なことです。今まで続けていたものが途切れ、さらにお世話になっている方々の期待を言わば裏切るわけですから。少し違うかもしれませんが、いわゆる「結婚より離婚のほうが大変」みたいなもので、そこには強い意志と決意が必要です。

長年お世話になった会社を辞めるのは気を遣います。しかも、起業して本当に成功するのかどうか、今が起業のベストなタイミングかどうかなど、わからないことだらけの中で「今の会社を辞めて起業する」という意思決定をしなければいけません。

僕の場合はというと。僕自身が慎重派でなかなかふんぎりをつけられないタイプなので、前職のマネックス証券を辞めるまでに2~3年かかりました(笑)。

家族は大事。でも起業したい

起業まで時間がかかったのは、僕がすでに結婚し子どもがいたことも大きな理由の1つです。家族を持つようになると「稼げるだろうか」「家庭を壊さないようにできるだろうか」といった心配も増えますから当然です。