谷村新司に聞く! 前代未聞の音楽番組(!?) BS日テレ『地球劇場』の挑戦
谷村新司公式HPより

それぞれの世代に寄り添う谷村新司の歌と声

谷村新司(66)が日本を代表するアーティストの1人であることは、誰もが認めることだろう。だが、抱いているイメージは世代によって違うはずだ。

まず、50代以上には、伝説のフォークグループ「アリス」のボーカルでリーダーだったという思いが強いだろう。「冬の稲妻」や「ジョニーの子守歌」、「狂った果実」などを大ヒットさせた。

当時の谷村は音楽活動と並行してDJも務めていた。深夜放送『セイ! ヤング』(文化放送)や『ヤングタウン』(毎日放送)などの看板DJとして活躍。軽妙なトークは若者たちを魅了し、勉強疲れをした受験生の心をほぐした。

30代、40代にとっては「サライ」の印象が強いのではないか。日本テレビ『24時間テレビ』の1992年放送において、番組内で生まれた名曲だ。現在も同番組のテーマソングとして使い続けられている。この歌を聴かないと、『24時間テレビ』を見た気がしない人もいることだろう。

10代の人の中には「風の子守歌~あしたの君へ~」の作者として谷村を知った人もいるだろう。3.11後、被災地を長期的にサポートするために生まれた作品で、谷村が作詞し、石井竜也が作曲した。ちなみに石井の故郷は、福島県に隣接する茨城県北茨城市。震災で甚大な被害を受けた。

この作品は2012年2月に発売されたが、作詞・作曲と歌唱の印税は全て寄附にまわされて、義務教育を終えた震災遺児の学費になっている。義務教育を終えた途端、遺児への公的な援助は乏しくなるため、それをカバーするために谷村らの印税が役立てられている。

日本初、贅沢な音楽番組

そして、今の谷村は新しいメディアであるBSで、『地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~』(月1回、土曜午後7時からの2時間)のメイン司会を務めている。"ツタエビト"として、100年後の日本に残したい"歌遺産"の新発見、再発見に取り組んでいる。

「ラジオの深夜放送の全盛期から30年以上が過ぎ、今やテレビもBSが当たり前の時代に。放送界は随分と変わりましたね。そして、常に新しいことにチャレンジし続けることが、自分の役割の一つであると思っています」

事実、谷村はトップアーティストであるだけでなく、音楽や放送の世界ではパイオニアであり続けてきた。創作家には一致することだが、知的好奇心が強いのだろう。