日本は「人は親切」だけど
「システムは不親切」!
~これまでにない利便性を求めて~

JASTEC・中谷昇社長に聞く

システムインテグレーターのJASTEC。'71年に創業し、コンピュータシステムのソフトウェア開発を手掛け、幾多の大企業、官庁などの効率化を進めてきた会社だ。受注・売り上げの管理、生産管理など、分野を問わず技術力は高い。'03年10月には、アメリカ国防総省などが発注先を決める際の参考となる基準・CMMI(能力成熟度モデル統合)のレベル5を、日本で初めて全社で達成した。中谷昇社長(51歳)に聞いた。

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なかたに・のぼる/'64年、東京都生まれ。'87年に慶應義塾大学理工学部を卒業し、キヤノンへ入社。その後退職し、'01年にカリフォルニア大学ロスアンゼルス校にて経営大学院修了。'03年にジャステックへ入社し、'04年にはJASTEC International,Inc.代表取締役社長就任、'10年2月より現職

管理力

弊社はシステム開発の仕事を、数字で「見える化」することに飽くなきチャレンジをしている企業です。

これまでシステム業界といえば、ただ顧客先にエンジニアを派遣し、「指示されたものを作りますから、使ってください」といった仕事をしてきました。しかし弊社は、まるで機械メーカーが製品を作るかのように、ある性能のシステムを組むに際し、どれだけの設計書が必要で、何行のプログラムを書けばよく、そのためには何人が何時間で仕事をするのが適切かなどを数値化して臨むのです。

また途中で進捗が遅ければ、原因を究明し、フィードバックを加えるなど、作業量を定量的に管理します。だから、予定通りのシステムが、予定通りの予算・納期でできあがるのです。

自分の頭

経営者として大切にしていることは、物事の本質を、自分の頭で考え、捉えることです。

たとえば「クラウド」(データやソフトを自分のパソコンでなく、インターネット上のどこかへ保存しておくこと)という言葉が注目された時です。「クラウドにより(同社が開発するような)ソフトウェアがなくなる!」と言う専門家が現れるなど、すごいことが始まる印象がありました(常にインターネットに接続した状態にあれば必要なソフトが使える。だからソフトがなくなる、と誤解されていた)。

しかし、他人の解釈や判断を鵜呑みにせず、「クラウドとは何か」と捉えなおすと、「インターネット常時接続環境下で、データをいろんな人が共有すること」に過ぎません。自分の頭で考えずに、「将来こうなる」「これが流行る」といった時代の雰囲気に流されると、会社の舵取りを間違えかねないのです。