安保法制審議を隠れ蓑に
「若者」「非正規」いじめの派遣法改正案がコッソリ通過しようとしている

若者と派遣にばかりシワが寄せられる

 派遣社員は使いまわし

安全保障法制のために国会の会期が異例の大幅延長となったことを受けて、多くの職種で派遣社員の活用が常態化しかねないと批判されてきた「労働者派遣法」の改正案が、一転して可決される見通しが強まってきた。

美辞麗句を並べて改正法案の実態を包み隠そうとしても、政府・与党と労働組合を含む経済界が、相変わらずコストの安い派遣社員の使い回しに執着していることが浮き彫りになった格好だ。

その一方で、同じ労働関連制度の見直しでも、岩盤のような抵抗のために、なかなか前に進まないものもある。諸外国に比べて手厚い保護のもとにあるとされる正社員の解雇(抑制)ルールの見直しだ。6月末に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」でも足踏み状態が続いており、具体化の方向や時期が示されていない。

われわれはそろそろ、この正規労働者を手厚く保護するルールの存在が、人件費の高い中高年の正規社員の退職促進を難しくし、若年の正規・非正規労働者にツケが回る元凶になっている現実を直視すべきではないだろうか。