安保法制の前哨戦、「派遣法採決」を巡る与野党攻防を読み解く
安全保障関連法案に反対する学生によるデモの模様(京都) 〔PHOTO〕gettyimages

文/ 原 英史(NPO法人万年野党理事、株式会社政策工房代表取締役)

維新の党が与党寄りに方向転換

通常国会の会期は9月25日まで延長されました。その後も、自民党の勉強会での「マスコミを懲らしめる」発言などが続き、延長国会は波乱続きです。

最大の焦点である安保法制を巡っては、維新の党が7月3日、独自案(武力行使要件として政府案の「存立危機事態」に替えて「武力攻撃危機事態」などを内容とする)を公表しました(8日にも国会提出の見通し)。これを受け民主党も、領域警備法案を維新と共同提出する方向で動きつつあります。

維新案を受けて修正協議が進むのか、民主党はどう対応するのか、衆議院採決のタイミングはいつになるのか・・・安保法制を巡る与野党攻防は大詰めを迎えつつあります。

今後の攻防を読み解くうえで、重要な参考材料になるのが、いわば前哨戦ともいえる「派遣法改正案」を巡る動きです。

派遣法改正は、昨年の通常国会以来持ち越されてきた、いわくつきの法案でした。今国会でも、民主党など野党は、政府案に対して強硬な対決姿勢で臨んでいました。

ところが、6月に入って、維新の党が与党寄りに方向転換。民主・維新など野党3党で共同提出していた「同一労働・同一賃金法案」について、維新単独で与党と修正合意し、これと引き換えに政府案の採決容認に転じたことが契機となり、6月19日に衆議院通過に至りました(参議院での審議はこれから)。

安保法制に関しても、維新案が契機となって、同様のことが起きるのでしょうか・・・といった連想を働かせる前に、まず、派遣法改正を巡る攻防を検証しておく必要があります。