10億円マンションも登場した
北京の不動産バブルは沸騰中

再三の政府による規制も効果なし

 東京ではお花見もピークを過ぎただろうが、北京にも、西の釣魚台国賓館の近くに、桜花園と呼ばれる桜の名所がある。だが、まもなく開花する桜花園の桜以上に、いま北京っ子たちの熱い視線を浴びているのが、桜花園と国賓館のちょうど間に位置する空き地である。

 なぜ空き地が注目されているかと言えば、この土地に2年後に建つ予定のマンション「釣魚台七号院」が、1㎡あたり7万元!(1元=約13.2円)という北京のマンション史上最高値をつけたからだ。

 マンションのパンフレットによれば、このマンションは1戸あたりの面積が、320~1000㎡とのことなので、最上階を購入した場合、日本円で9億2400万円! 消費税などを入れれば、購入価格は10億円を超える。

 そう、いま中国は、世界の金融危機など別世界のように、不動産バブルの真っ最中なのである。中国主要20都市の2009年の土地売買代金は、前年比2.6倍の8019億元に達した。

 北京市民の平均月収は2000元なので、「釣魚台七号院」のわずか1㎡分を買うのに、飲まず食わずで、約3年もかかることになる。確かにこのマンションは特別だが、いま北京市内の第4環状線以内で、1㎡あたり3万元以下の物件を探すのは奇跡に近い。

マンションの高騰で結婚、出産が減少

 北京の日系不動産.トラスト不動産の名倉一整営業部長が解説する。

「まさに日本の1980年代末を彷彿させる不動産バブルで、これが崩壊したら中国経済はどうなるのかと思うと空恐ろしい気がします。また、乱立で日本的観点から見たら欠陥マンションが続出しているため、数年後には建築が崩壊するのではという恐れがあります。
  さらに余波として、マンション高騰で、結婚.出産を控える若者が続出しているのです。一人っ子政策を貫く中国で、皮肉なことに、住宅問題が、最大の人口抑制策になっているというわけです」

 これまで金融危機克服のため、不動産バブルを黙認してきた中国政府だったが、さすがに国民の鬱憤が臨界点に達しつつあることを恐れたのか、昨年暮れから1月にかけて、立て続けに、3連発の"カンフル剤"を打った。

 第一弾は、昨年12月9日の「国務院常務会議決定」である。これは、これまでマンションを購入して2年以内に転売すると、転売営業税を課していたが、その期間を5年に延長するという措置だ。つまり、投棄目的のバブル熱を冷まそうということである。

 第2弾は、12月17日に財政部など5部連名で出した「さらなる土地収支管理強化通知」である。これは、不動産建設業者が公的機関から土地の借権を購入した場合(社会主義国家の中国は、憲法第10条で「土地は国家の所有物である」と銘記してある)、購入時に半額以上を支払い、残りは1年以内に支払わなければならないという規定である。

 これは、開発側に重い負担をかけたものだ。

 そして第3弾が、1月10日に国務院が発布した「不動産市場の平穏かつ健全な発展を促進するための通知」である。この通知の目玉は、家族名義を含めて2戸目以上の住宅を購入した場合、購入代金の4割以上を頭金として払わなければならないという規定である。これは、第1弾と同様、購入する側に対する規制だ。

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