「創業者こそ日本の優れた教育資産」 東芝創業者・田中久重の学習マンガ企画者に聞く

日本企業の創業者をロールモデルとして認識してほしい

「日本の隠れた資産である『創業者』を広く伝えていきたい」

EPOCH MAKERS 2020」でも紹介した参考書作家の船登惟希さんは、参考書以外の書籍も企画するようになっている。そのひとつが、最新作の学習マンガ『好奇心のナゾを追え!! 田中久重の巻(アドベンチャー偉人伝)』だ。日本の創業者に焦点を当て、彼らの信念や志を子どもたちに伝えるシリーズの第一弾として、東芝の創業者で発明家の田中久重を取り上げている。

タイムスリップした主人公たちが、江戸時代を舞台に大冒険を繰り広げるストーリーのなかに、久重の「好奇心の大切さ」「仕事の面白さ」を織り交ぜ、アントレプレナーシップやイノベーションが生まれる理由を学ぶという構成となっている。

船登さんは今回のシナリオを書くにあたり、すでに出版されている久重に関する本や東芝未来科学館が出している年表を読み込み、未来科学館のスタッフへのヒアリングもおこなったという。実際に訪れた際、子どもたちにとって創業者コーナーよりもアトラクションコーナーが人気だと知った。だが、船登さんとしては発明家・起業家としてのバイタリティに影響を受け、「田中久重のような創業者をロールモデルとして認識してほしい」という思いが強くなったという。

今回のマンガでは、各章の冒頭で久重がイノベーションを起こせた理由を探るためのミッションを課され、彼と生活しながらそれを探っていく。彼は父親にべっこう職人になれといわれたが、からくり人形をつくる道を歩み、この時代には珍しく家業を継がなかった人物。その背景には「人を喜ばせたいという気持ちに素直になった」ことがあり、こういった事項を「イノベーションを起こせた理由」として章末に2つずつまとめている(全5章なので10個の理由を知ることができる)。