【舛添都知事日記】2040年代東京のグランドデザイン---明るい高齢化社会とノーマライゼーションの実現に向けて
東京都長期ビジョン(PR版)の表紙(東京都政策企画局サイトより)

「明るい高齢化社会」という視点を忘れてはならない

昨年末、10年後を念頭に「東京都長期ビジョン」を策定したが、次の課題は、さらにその先を見通したグランドデザインを描くことである。2040年代の東京の姿を構想しようというわけである。

道路、公園、住宅といったハード面での都市計画も重要であるが、都民一人ひとりの生活に焦点をあて、ソフト面での取り組みも不可欠である。増田寛也元総務大臣率いる日本創生会議が、6月4日に発表した「東京圏高齢化危機回避戦略:一都三県連携し、高齢化問題に対応せよ」という提言が話題を呼んでいる。

東京圏では今後急速に高齢化が進行し、医療・介護や住まいの問題が深刻化するとして警鐘を鳴らし、高齢者が東京圏から地方に移住することを勧めている。移住先候補地としては、医療・介護ともに受け入れ能力のある41の地方都市圏があげられている(前回の本欄参照)。

グランドデザイン策定に当たっては、当然、この提言のような問題提起も考慮に入れる必要がある。しかし、医療・介護施設が不足するからといって、地方へ移住せよというのは、少し短絡的にすぎよう。要は、「明るい高齢化社会」を実現するという視点を忘れてはならないということである。

たとえば、高齢者になると、一般的に視力、聴力、反射神経などの身体能力が落ち、まして認知症にでもなれば、自動車を運転するのは困難になる。そこで、公共交通の整備という解決策が提示されるが、人口が減る中で、そのような政策が財政負担に耐えられるかどうか疑問である。「買い物難民」にならずに、健常者と同様な生活を楽しむためには、自動車は極めて有効な手段である。現在、運転操作をしなくても走る自動車が開発されているが、これが実現すれば、高齢者にとっては朗報である。

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