雑誌 ドクターZ
国立大学に文系は不要か?
〔PHOTO〕iStock

ビジネスに役立たない分野はいらない?

文部科学省が国立大学に出した通知が大学関係者の間で話題だ。簡単に言うと、文学部や人文社会科学系など、ビジネスに役に立たないような分野の縮小や転換を求めた形。国立大文系を「社会的要請」に合致した学問の場とするような流れで、文系の大学関係者は疑問のようである。

まず大学生に関するデータを見よう。'14年の学生数は、国立44・7万人、公立12・9万人、私立197・6万人の計255・2万人。文系を人文科学、社会科学、教育の学部生とすれば、国立大文系比率37・1%、公立大文系比率44・2%、私立大文系比率59・3%で、全体では54・6%だ。

文系比率を10年前の'04年で見ると、国立、公立、私立、合計それぞれ39・8%、50・8%、65・6%、60・2%。20年前の'94年では、それぞれ43・4%、60・2%、67・7%、62・5%。

ここ20年間で見ると、文系比率は、国立で▲6・3、公立で▲16・1、私立で▲8・4と、すべて低下傾向である。このうち、国立大では、もともと文系比率の水準は低かったが、公立や私立と比べて低下していなかったともいえる。

こうした傾向を見ていると、文科省が国立大の文系学部に通知したことは特別に驚くことではない。安倍政権になってから国立大学改革プランが策定され、各国立大学では各学部単位で強み・特色・社会的役割(ミッション)の再定義が行われている。今回の通知もその流れに沿ったものだ。

大学を取り巻く環境は、少子化、グローバル化など企業と同じである。特に大学の場合、環境変化に対応できないところが多いために文科省が音頭をとっており、その動きについて行けない大学関係者の間で不満が出ているというわけだ。