【サメ辞典7:ホホジロザメ】ジョーズの悲劇。本当に怖いのはサメか、人間か?

ホホジロザメ

ジョーズ、ホホジロザメは恐ろしい?

地元住民からは「映画の『ジョーズ』みたい」と驚きの声が上がった。---そう書かれていたのは2015年4月15日付けの紀伊民報(http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=292682)。

なんでも、三重県紀宝町の鵜殿港に、全長6メートルほどあるホホジロザメが水揚げされたというのだ。写真が掲載されていた。水揚げした際に胃袋から逆流したであろう、未消化のドロドロした動物がサメの口から溢れでていて、まるで「恐ろしい」を絵に書いたような写真。記事によれば、その溶けた肉はトドかオットセイとみられるという。

ホホジロザメはエサの食べ方がとても特徴的だ。その技術は「スカイホッピング」という。かれらは獲物を探索するために、水面から顔を出してアザラシの群れを見ているところが観察されている。また、攻撃の際は、水面に身体ごと飛出していくことも、地域や季節によってはあるという。ジャンプするところは、「エアジョーズ」というディスカバリーチャンネルのDVDがあるので参照されたい。ちなみに他のサメではまず見られない行動である。

ホホジロザメの悲しい変遷

こんな強面で、大きな動物も食べてしまう力強いシンボルのようなホホジロザメだが、実はあまり幸せな人生を歩んできたとは言えない。

かれらの変遷を見てみたい。

1916年頃にニュージャージー州沿岸でサメが人間を襲う事件が発生したことがあったという。当時は水中調査をする人や海洋の専門家がほとんどいなかったため、サメについてはよくわかっていなかった。当時の人たちは、サメを恐ろしい生き物だと認識していなかったので、その事件を聞いたとき、デマだと思っていた人も多かったようだ。

しかしながら、その認識を変えたのが、世界的に大ヒットした映画「ジョーズ」。過剰にサメの怖さを表現したこの映画が公開された1975年以降から、サメは人喰いモンスターとして、全世界へ認識されてしまったのだ。