「自分の意見を伝えられる子どもに育てる」
【第14回】「自発的に学ぶ子ども」に育てるにはどうすればいいか

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意見を持つためには、ある程度の暗記が必要

「自分の意見を持つ」「自分で考える」というと、文字通り"考える"ことだけに目が行きがちです。つまり、新しい情報を学ぶことなく、その場でウンウン考えようとしてしまいます。ですが、それでは自分の考えが出てこないこともあります。

「考える」という行為は、自分の中にあるデータ・知識を使い、そこから新しいものを生み出すプロセスです。ですから、何もデータ・知識がなければ、その事柄について考えることなどできません。まったく知らないことついて「あなたの考えは?」と聞かれても、何も答えられませんよね。判断するための情報がないので、当たり前のことです。

また、「考える」ことと「暗記する」ことは真逆だと思われがちです。「暗記=何も考えていない」と捉えている人は多いのではないでしょうか。ですが、人間は比較の動物です。参考材料や参照する情報が何もない状態で考えることは相当に難しいことです。

考えるためには参考材料が必要で、自分の意見を持つためにも比較材料、検討材料が必要です。それらの材料が自分の中になければ始まりません。つまり覚えていなければいけないのです。

「そんなことはない、今はインターネットで検索すればすぐにデータを調べられる。暗記なんてしても意味はない」

こういう反論もあるでしょう。しかし、それは違います。比較する対象があるから、参考データを知っているから、そこから何かを感じることができるんです。"まっさら"な人が何かを思い付くのは、発明と一緒です。エジソン級の天才ならまだしも、一般の人には難しい芸当です。