金融・投資・マーケット
「ソロスチャート」再論---マネタリーベース比率から考える今後のドル円レート
〔PHOTO〕gettyimages

ドル円レートの水準論と金融政策は切り離して考えるべき

6月10日の黒田発言(「実質実効為替レートからみて、これ以上円安になる可能性は低い」という衆議院財務金融委員会での黒田東彦日銀総裁の発言)はマーケットに驚きをもって受け止められた。

実は、その前日、伊藤隆敏政策研究大学院教授も某情報ベンダーでのインタビューでまったく同様の発言をしており、「政策当局が、これ以上の円安進行を牽制する目的で、マーケットで影響力がありそうな2人に発言を促したのではないか」という穿った見方もあるようだ。折しも、米国では、来年の大統領選挙を控え、ドル高に対する産業界からの政治的な圧力が高まってもよさそうな頃合いである。

事の真相はともかく、これで、ドル円レートは1ドル=125円を抜けて円安で推移しにくい状況になったと思われる。

この「黒田発言」はこれまでは比較的円安進行を歓迎していたようでもあった黒田日銀総裁の「宗旨替え」と受け取る向きもあり、日銀がこれ以上の追加緩和に消極的になったと考える市場関係者も出始めているようだ。

だが、筆者は、ドル円レートの水準論と金融政策は切り離して考えるべきだと思っている。

それはさておき、極めてオーソドックスな為替レート決定モデルである「購買力平価」を用いた場合、現時点でのドル円レートは、円安の上限ギリギリのところにあるのではないかという筆者の考えについては、すでに「第83回 『購買力平価』からみた現在のドル円レートの水準(4月16日)」で述べた通りである。原稿執筆時から約2ヵ月強の期間が経過したが、基本的な考え方は変わらない。

そこで、今回は、久々に「ソロスチャート」の考え方を用いて、現在のドル円レートの水準を考えてみたい。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら