オリンピック
「予算が足りない」の次は、
「暑すぎる」「芝生が育たない」
「回収の見込みがない」
新国立競技場新たな問題が続々浮上中!

「トラブルの総合競技場」だ

「金食い虫」「非現実的」などの批判を浴び、紆余曲折のあった新国立競技場の設計案の見直しが最終局面を迎えている。下村博文・文部科学相は、22日の定例記者会見で、建築家の槇文彦氏らのグループが示したデザイン見直し案に対し、「謙虚に耳を傾けたい」と発言した。

ただ、既に決定している英国の女性建築家、ザハ・ハディド氏の設計案を「白紙にして全部やり直すわけではない」と、強調しており、迷走を際立たせたが、タイムリミットは迫っている。こけら落としとなるのは、2020年東京オリンピックではなく、19年開催予定のラグビーワールド杯。工期から逆算すれば、ゼネコンとの契約は、今年7月初旬がデッドラインとなる。

日本の国力低下の象徴

威信をかけた国家プロジェクトの成功へ向けて、もう後がない文部科学省は、500億円の負担金拠出を渋る東京都との交渉を後回しにして、業者との契約を優先させる。日本の国力低下を象徴するようなもたつきぶりだが、始まれば一丸となって、世界に「日本の納期を守る誠実さと、高度で精緻な技術力」をアピールできるのか。

実は、それが心もとない。

流線形を多用するハディド氏の設計は、「斬新」で「強烈」と評価されるものの、高い施工技術と巨額予算が必要とされ、「アンビルド(建築されない)の女王」の異名を取る。しかし、当然のことながらプライドは高く、新国立競技場では、支払い済の13億円の設計料に加え、大幅な設計変更の際には、巨額違約金が発生するという。

たとえ違約金がなくとも、工期がギリギリなので、難工事への見切り発車をせざるを得なくなったが、無事、19年に完成したところで、評価は得られない。

下村文科相は、舛添要一・東京都知事に「500億円負担」を求める際、「8万人収容、開閉式屋根、可動式の椅子」という国際公約3本柱のうち、「開閉式の屋根のオリンピック開催後の設置と可動式椅子の仮設化」と、2つの「公約違反」に言及してしまった。つまり新国立競技場建設は、「進むも地獄、退くも地獄」のなかでスタートする。

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