「8割が海外留学」「思考能力が鍛えられる」・・・
詰め込み教育のイメージがあったシンガポール名門ローカル校の魅力

ラッフルズガールズスクール(Secondary)

小さな都市国家シンガポールの厳しい教育競争

シンガポールでは、特にインターナショナルスクール(インター)の両親たちと話していると、両親が異なった国籍を保有していることはよくあります。そして、それぞれが複数の国籍をもち、子供をさらに別の国で生んだという話も珍しくありません。私たちのように両親がともに同じ国籍で、他に国籍も保有しておらず、子供も両親の国籍と同じ国で生まれたというケースのほうがレアです。必然的に、色々な国の教育事情に通じた人が多く、さまざまな情報が入ってきます。

最近、まさにシンガポールらしいグローバルなキャリアパスを歩んでいる人からシンガポールのローカル校事情について聞いたので紹介します。日本人と台湾人の両親を持つ彼は現在、シンガポールでクオンツ系のヘッジファンド向けに取引システムを提供する金融サービス会社で働いています。台湾で生まれ10歳まで教育を受けた後に、2年間マレーシアのインターナショナルスクールに通いました。

その後、中1~高1まで4年間、シンガポールの名門ローカル校アングロチャイニーズスクール(ACS)に通い、高2~高3と日本で教育を受けました。そして、ニューヨーク大学に進学し理論物理学でPh.D(博士号)を取得した後に、現在の会社で働き始めました。ヘッジファンドや投資銀行のプロップトレーダーとして働いている人には数学や物理学のPh.Dホルダーが多く、プログラミングにも精通したこの方はうってつけの人材といえます。

アングロチャイニーズスクール

台湾の教育内容は日本と似ていて、ペーパーワーク中心だったので、マレーシアのインターに入ったときは英語のコミュニケーションに苦労したようです。ただ、理数系を中心として主要科目は台湾の学校のほうがマレーシアのインターよりも進んでいたため、英語以外は苦もなくカリキュラムをこなせたようです。両親の仕事の関係でシンガポールに引っ越すことになり、進学実績が良いローカル校でボーディング(寮)があるACSを選びました。

ACSに編入される際には学力テストを受け、ABCの3つのグレードのうち最もレベルが高いAレベルに選ばれます。シンガポールの公立校は、日本と異なり中学1年生から厳密に学力別に運営されています。Aレベルの生徒は英語・中国語・数学以外にいくつでも科目を履修できるのに対して、Bレベルの生徒は2科目、Cレベルの生徒は1科目しか選べません。

中1時点で40人のAレベルの同級生がいましたが、ACSのような進学校には他校から成績優秀な生徒が転校を希望し、学校側も進学実績を高めることにつながる転校には積極的であるため、毎年5人ずつくらい下のレベルにダウンしていったと話しています。ACSに在籍していた4年間で半分くらいの生徒はAレベルから下がってしまったことになります。逆に、下のレベルからAレベルに上がり、それをキープするケースはほとんどなかったようです。履修科目が増える、それまで学んでいなかった科目でも高得点を出さなければならないからです。