【舛添都知事日記】日本創生会議の提言に対する反論---人は医療・介護のみにて生くるにあらず!
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首都圏の知事はすでに認識・対策している「高齢化問題」

日本創生会議は、6月4日に、「東京圏高齢化危機回避戦略:一都三県連携し、高齢化問題に対応せよ」という提言を発表した。それによると、東京圏は、今後急速に高齢化し、それに伴い医療・介護や住まいの問題が深刻化するという。

具体的には、2025年までに、入院需要は、埼玉県25%増、千葉県22%増、神奈川県23%増、東京都20%増、介護需要は、埼玉県52%増、千葉県50%増、神奈川圏48%増、東京都38%増となるという。

そのため、東京圏では医療・介護の不足が生じるので、高齢者に地方移住を勧めている。移住先としては、医療・介護ともに受け入れ能力のある41の地方都市圏を挙げている。

移住先として挙げられている41の地方都市圏(「東京圏高齢化危機回避戦略」図表集より)

今回の提言が首都圏の高齢化問題に警鐘を鳴らしたことは評価できるが、この問題は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の知事は皆すでに十分認識しており、精力的に対策を講じている。

日本創生会議は、昨年、「ストップ少子化・地方元気戦略」という提案をしたが、そこで「地方消滅」の危機を訴え、896の「消滅可能性都市」を掲げ、センセーショナルな話題となった。今回は、その第二弾というわけである。マスコミが、前回同様におもしろいネタだと飛びつき、新聞などは大きくページを割き、煽りまくったために一気に全国的に広まった。

実は、この提言発表の2日前、同様のテーマで、一都三県の地方創生に関する連絡会議が開かれているが、大臣、知事、副知事が出席している重要な会議にもかかわらず、マスメディアは、首都圏版でも小さなベタ記事でしか取り扱っていない。民間団体の提案と、この会議とどちらが重要なのか。現代日本のポピュリズムはどこまで進むのか心配でならない。

私が4月末に退院して以来、石破地方創生担当大臣と議論を重ね、「東京圏も一つの地方」と位置付けた上で、急速に進む高齢化にどう対応するのかを国と首都圏で一緒に考えようということで意見の一致を見た。そこで、私が、埼玉県、千葉県、神奈川県の知事に呼びかけて、国と一都三県の連絡会議を立ち上げたのである。

会議の冒頭に、私は、「一都三県は、人口3600万人を擁し、日本経済を牽引しているものと自負しているが、今後は、急速に高齢化が進むとともに、少子化問題がますます重要となってくる。これらの問題への対応は、各都県のみならず、日本全体の将来像に大きな影響を及ぼす」と述べた。

高齢化について国からの問題提起は、一都三県で、後期高齢者は10年間で175万人増加し、介護施設、医療介護人材が大幅に不足する。また地方からの人口流入が加速化し、地方の人口減少に拍車がかかる。そこで、高齢者の医療・介護・住まいへの総合的な対策と、地方移住を希望する高齢者への支援策が必要、というものであった。

少子化については、一都三県への若年女性の転入が多く、しかも出生率が低い。仕事と子育ての両立が困難なので、「働き方改革」に取り組むべきという。

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