スティーブ・モリヤマ 第4回
「私の夢は、"この世のものとは思えない青"を自分の目で確かめることです」

撮影:立木義浩

第3回はこちらをご覧ください。

シマジ スティーブは本当にコトバが好きなんだねえ。あなたの書いた『人生を豊かにする英語の名言』は読ませてもらいましたが、研究社がああいう本を出すとは、驚きです。

モリヤマ 恐れ入ります。シマジ先生ご自身も、そして師匠の開高健さんも数多くの名言を残されてますよね。

シマジ 「なにより尊いものは友情である」と記したコースターをあなたにあげたでしょ。わたしにとって開高文豪は師であり、畏友でもありました。開高先生をスティーブのコトバで表現するとどうなりますか?

モリヤマ 僭越ながら、あのお方を一言で表現するとすれば「内面の旅行者」以外にはないでしょうね。『オーパ!』などの著書があるので、一見すると「外面の旅行者」に見えますが、『輝ける闇』の世界、つまり地獄絵を見てきたからでしょう、メメント・モリ<人はいずれ死ぬ。だから、今を生きよ>というメッセージが言外に静かに流れていて、読み手の心の奥深くに染み入ってくる感じがします。

その感覚を蒸留すると、こんな風になります。

「世界中を旅した者が、最後に辿りつくのは"内面の旅"の入り口。自国文化への回帰の旅から始まり、やがて自分自身と、そして大切な人の心の中を旅する自分を発見することだろう」

シマジ なかなかいいじゃない。スランジバー!

モリヤマ 「シマ」ンジバー!(笑) わたしの夢は、「21世紀のオーパ」を書くことです。もちろん、アマゾンで巨大淡水魚にも挑戦したいのですが、キューバの外洋でクロカワカジキを釣ってみたいんです。想像するだけでワクワクしてきます。

シマジ クロカワカジキ?

モリヤマ 英語では"パシフィック・ブルー・マーリン"といいます。"クロカワ"というぐらいですから、生きてる時と死んでからは黒いんですが、死ぬ寸前から死後硬直が起きるまでのほんの短い間だけ、この世のものとは思えないくらい綺麗な青色になるといわれています。