雑誌
まさかの独り暮らし 神戸連続児童殺傷事件から18年、手記を発表 あの酒鬼薔薇聖斗はここで生きている
道祖神が祀られたタンク山に参拝する地元の老婆〔PHOTO〕wikipediaより

97年に起きたあの事件は、日本人の脳裏に深く刻まれている。「普通の中学生」がどうしてあんなに酷いことを―その疑問に、本人がついに答えた。彼の言葉を読んで、あなたは何を考えるだろうか。

32歳になった「元少年A」

〈脱衣所の扉を閉め、内側から鍵をかけると、ぐしょ濡れの衣服を脱いで洗濯機に突っ込み、全裸になった。手提げバッグの中のビニール袋を開き、淳君の頭部を取り出して脇に抱え、磨硝子の二枚折戸を押し開け、風呂場に入り、戸を閉めると、そちらも内側からスライド式のロックをかけた。この磨硝子の向こうで、僕は殺人よりも更に悍ましい行為に及んだ〉

'97年2月から5月にかけて、当時14歳だった男子中学生が児童を次々と襲い、山下彩花さん(当時10歳)、土師淳君(同11歳)の尊い命を奪って3人を負傷させた「神戸連続児童殺傷事件」。

酒鬼薔薇聖斗を名乗った元少年Aが、日本中を震撼させたあの事件から18年という長い沈黙を破って6月11日に発表した手記『絶歌』が、大きな波紋を広げている。

出版元である太田出版で編集を担当した落合美砂氏によれば、出版の話は元少年Aの側から持ち込まれたという。

「今年の3月上旬に弊社社長の岡聡が、仲介者を通じて本人と面会し、原稿を受け取りました。その内容を社内で議論し、出版を決めました。プライバシーに配慮しなければいけない部分以外、基本的にこちらから手を入れることはしていません。タイトルも、最初から本人が付けていたものです」