学校・教育 ドイツ
なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか? 義務教育と若者に対する投資の重要性について
〔PHOTO〕iStock by gettyimages

義務教育は、人間生活の基礎になる

良い発展をする社会というのは、不平等感の少ない社会だ。つまり、格差社会の真逆。若者のスタート地点を揃え、平等にチャンスを与えることのできる社会である。そこでまず大切なのは、初等教育の質となる。

人は義務教育で、いわゆる「読み、書き、そろばん」という最低限の教養を身につける。義務教育を逸してしまうと、あとの人生のチャンスが閉ざされ、あっという間に社会から落ちこぼれ、職もお金もないまま漂う、あるいは、犯罪に走るという道をたどる可能性が高くなる。

また、遅ればせながら奮起したとしても、義務教育なしでは、その上の学校に進学することが難しい。義務教育は、人間生活の基礎だ。頼みの綱だ。だからこそ、侮ることはできない。

6月5日、PHP研究所より、『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』というタイトルの本を上梓した。

825円の物を買う人が、財布の中を覗き、即座に暗算して、1,055円を出す。それを受け取った人が、やはり難なく暗算して、230円のおつりを出す。これは日本では当たり前の光景だが、ドイツでは当たり前ではないのだ。

私は日本の初等教育を高く評価している。日本の学校システムでは、どんな子供でも、少なくとも義務教育が終わる前に放り出されることはない。日本ほど、国民の教養が高い国は少ない。
 

なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』
著者= 川口マーン惠美
PHP研究所 / 定価1,512円(税込み)

◎内容紹介◎

住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』(講談社)などのベストセラーを持つ著者が日独の教育を比較した意欲作! ドイツ在住30年、ドイツで3人の娘を育て上げた著者は、子育て中「日本ではこんなことあり得ない!」とため息をついたこともしばしば。「日本の初等教育は世界一」と断言します。ただ、大学教育やビジネスの場になると、海外の人と比べて見劣りしてしまうことが多いのも事実。素晴らしい初等教育のそのあとが、うまく続いていないのではないか---。そんな問題提起もされています。

⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちら